コラム

癌末期の心構え1

船戸崇史
もし、今あなたが、「癌末期」と言われたら・・・。
私はそれでも、敢えて言いたい。「大丈夫ですよ」と・・・。
今日はこのことについて一緒に考えてみましょうか。
では、「癌末期」という問題を、「癌告知」の問題と「癌末期」の問題に分けて見てみようと思います。

【癌告知問題】
まず、癌の宣告とは最近は普通になりました。普通というのは、私の体験を通しても、日常会話化したという事です。「こんにちは」というあいさつ程度の声色で「あなたは癌ですよ」と言われるという事ですね。考えようによっては、癌のような人生の大病をそんなに簡単に告知してよいのか?とも思われるでしょう。私は、はっきり簡単に告知が行なわれるようになった理由は3つあると思っています。

1、 何であれ相手が分からずに勝負は出来ない。これから、癌という相手に対して、治療を行うのは間違いなくあなた自身です。なら、あなたが相手(癌)を知らずに勝負が出来るかということですね。かつては、本人には病名を伝えなかった。これは、目隠しして、土俵に上げられる力士のようなもので、相撲の前に土俵にすら上がれない可能性がある反省に立っていると思いますね。「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず」は有名な孫子の兵法です
2、 日本も西洋文化圏。今の日本の医学は西洋医学ですから、実はここにも西洋医学の文化が入り込んできていると思います。つまり、アメリカでは癌の告知をしなかった医者は、間違いなく訴訟になった時に負けます。アメリカは訴訟社会とも言われますからね、医者は自分を守るために告知する?何とも寂しい話ですが、日本での告知は少々違うように感じますね。医者が自分を守るというより、「文化としての告知」のように私は感じます。水だけではなく文化も高きから低きへと流れますからね。西高東低なんですね。これって、冬型の気圧配置。気候が冬型だから、告知まで寒いんでしょうか?
3、 時間的要件。患者さんは3時間待ちの3分診療の中でいらいらし、医療者は3分という短い時間でエッセンスを伝えなければならない。医者の弁護するわけではないのですが、決して3時間の間、医者も遊んでいるわけではない。一生懸命診療している。やっとあなたの順番が来るのに3時間かかるということです。3分診療といいますが、それもそうしないと次の患者さんをもっと待たせる事になるからなんですね。これでは、医者も疲れますね。忙しすぎるんですよ。決して悪気はないし、あなたに恨みがあるわけではない、しかし余裕がないとどうしても業務言語になりがちですね。ここにも医師不足の影が見え隠れしますね。つまりは、日本の医療システムの問題なんですね。

そうした、背景の中で、病名だけでなく、予後告知までされるんですね。例えば、次のような事例です。あなたの事だと思ってたどってみてくださいね。
あなたは平素からまじめで責任感ある定年前のサラリーマン。厳しい時代で「ちょっと休む」も言えないのが日常でした。ここのところお腹がもたれ、少々体重も減り気味。最近、近所のご主人が胃がんで亡くなったと聞いた。あなたと同年齢。ちょっと心配になり、やっと休みを取って、近くの総合病院を受診して、CTや胃カメラを受けた。そして、何時間も待ってやっとあなたの順番がきた。ドキドキしながら診察室へ。若い医者が、目の前のシャウカステンに向かって、あなたの名前を確認した。「初めまして」も言わず突然、今日の結果説明がはじまりました。告知とともに。
「え~、今日の写真と胃カメラの結果から、胃癌だと思いますね。CTからすると、怪しい影が肝臓から肺まであります。たぶん転移です。こうなると手術はできません。ですから、できるとしたら抗癌剤の治療しかないですね。抗癌剤をしなかったら、3か月。すれば6カ月くらいでしょう。しかし、抗癌剤をするには入院が必要です。いまなら丁度部屋が一つ空いています。抗癌剤を当院でするなら、今日中に入院してください。当院でしないのなら、紹介状を書くので、希望の病院をお知らせください。どうしますか?」という具合です。
如何ですか?これを丁寧な言葉で話せば3分くらいはかかります。が、内容はあまりにヘビーです。これが現在の告知です。言われる方はたまったものじゃないですね。しかし、先にも書きましたが、決して医者も悪気はありません。あなたに恨みもありません。あまりに多忙なため、心を傾ける余裕が医師にないのです。しかも、ノルマは果たさなくてはなりません。そのためそっけない告知になりがちです。お互いに辛い事です。勿論、それが好ましいわけではないことは承知していますが、それが現実であることをまずご承知ください。私が言いたい事は、賢い患者になって欲しいという事です。冷たくとも医療者を敵に回さぬよう、時には「治す」目的のために、賢くもしたたかな患者になることも必要だということですね。
私も一体何人の人に「癌の告知」をしてきたでしょうか。自分なりに言葉を選び、注意して話したつもりでも、やはり話の内容はヘビーです。今後も言われる相手の立場になって思いやる言葉を織り交ぜながら、同時に告知するからには、最後まで付き合う覚悟で伝えてゆきたく思います。

癌末期の問題1、心がまえ】

次に「癌末期」という問題を考えてみましょう。
もし、あなたが「癌末期です。余命3か月。」と言われたとします。この言葉には少々解説が必要です。まず、この末期なる表現は必ず枕詞があるという事です。「西洋医学のデータでは・・」です。ですから、過去の膨大な統計データを根拠に話しますが、常に例外はあるという事を知るべきです。癌末期からの生還者はすでに何万人以上もいます。一人の生還者がいるということは癌末期はないという事です。ということは、癌末期と言われて何も諦める必要はないという事です。
そして、「余命*か月」ですが、はっきりと申しますが、まず当たりません。西洋医学は病名の診断は得意です。しかし、私の経験では寿命の決定は医学を超えたところにあるように思います。必要な時間は必ず与えられてきたと感じています。私の尊敬している大病院の院長は余命を問われて、いつもこう答えると言います。「余命は1日から30年」。
そもそも余命と言う表現ですが、注意が必要ですね。これも、全ての人類、いや生きとし生けるものは全て、生まれた瞬間から余命の人生を歩んでいます。すべからく余生なんです。治りたいといいますが、治ってもいずれ死にます。「治らない時の余生」ではなく、「治っても、余生」なんですね。
以上を踏まえて今一度「癌末期。余命3か月」を見直すとどうなるか。「西洋医学的な検査の結果、がんは進行した状態です。統計的には余命3か月くらいというデータがありますが、生還した人がいますので、諦める必要はありません。本当の余命は不明です。あなたに必要な時間は必ず与えられると信じています。その時間を少しでも長くしようじゃないですか。お互い余生を生きる存在として平等ですから」を短くした表現だと思ってくださいね。
では、実際に「癌末期、余命*か月」と言われて、われわれはどうしたらよいのでしょうか?
まずもっとも大切なことは、先にも書きましたように、「癌末期はない、皆余生」だということです。これが本当です。ここの部分をまずしっかり頭に入れてください。
力が出ない。元気が出ないと言いますが、それも当然です。こんな告知を受けて元気な人間は異常です。余ほど、現状が苦しくていつも死にたいと思っている人間か、人生達観していつ死んでもいいと思っている人間以外、末期宣言を受け入れることは出来ないでしょう。そもそも、飯田先生の「生きがい論」からしても、生きたくて生きたく生まれてきた私たちが、死にたいはずがありません。だから、そう言われてショックなのは、生きたいと願う正常な反応であり、気力も力も出ないのがまさにその証拠だからです。
だから、それでOKでも、そこで止まっては何も変わらない。

【癌末期問題2、対応の手順】

では、次にどうしたら良いのかその手順をお話ししましょう。
問題は、このショックの後に起こるのです。このショックが大きいとどうなりますか?ショックから不安、人によってはうつ状態になります。すると当然、食欲が落ち眠れなくなりますね。そして、この食欲の低下と睡眠不足とが体力の低下を招きます。より体がだるくなる、するとより不安が助長され、より食欲が落ち、睡眠不足が悪化するという悪循環に入るんですね。
不思議なことに、この道筋は人類の轍(わだち)のように、本当に誰もがよく似ています。実は、癌そのものよりも、この食欲不振と睡眠不足の方が体に悪いんですね。むしろ、こうしたストレスが原因で癌も出てきたし、悪化もすると思うんですね。
ここで必要な信念があります。それは、「癌は自分で戻せる」です。
「癌はもともと自分の細胞。癌を治す(癌細胞から正常細胞へ戻す)のが奇跡なら、癌を作る(正常細胞を癌化させる)のも奇跡。一度私は奇跡を起こした(癌を作った)人間。それならもう一度奇跡を起こせる(癌をもとへもどす)。その力を、私は持っている。その力を発動させます」と宣言します。
その力を発動するための具体的方法をお教えしましょう。勿論、抗がん剤を使いながらでもこの方法は使って頂けます。
A,癌の痛みを取る。
B、体の自然治癒力(免疫力)を高める。
C、癌を起こした原因を取り除く。

【A、癌の痛みを取る】

これは最も大事な項目です。自然治癒力も実は最も阻むものが「痛み」です。痛みには、肉体的、精神的、社会的、霊的(スピリチュアル)の4つがあると言いますが、どの痛みも免疫力を落とします。痛みに深さがあるとしたら、最も深いのが霊的痛みです。これに効く薬は私の知る限り今のところ、宗教か飯田先生の「生きがい論」ですね。西洋医学的に最も対応が優れているのは肉体的痛みです。医薬用麻薬(モルヒネ)の登場で飛躍的に改善しています。(「痛み」についてはフナクリ通信H20年9~10月号参照)

【B、自然治癒力を高める方法】

これは以前も書きましたが、私は7カ条をお勧めしています。これを行えば、間違いなく治癒力は増します。そして、スタンフォード大学のメデイカルレターによれば、これら方法は、病気を治す効果として、なんと医学的治療の6倍もの効果を持っていることが分かっています。(因みに、遺伝的因子は医学的効果の3倍の効果)つまりは、どんな薬を飲むか、治療をするかよりはるかに生活スタイルの改善の方が治療法として重要であるという事なんですね。
では、具体的にどのような内容でしょうか?

1、 よく寝る。

これは、自然治癒力を引き出すのに最も有効な方法です。まず、どんな病気も「安静臥床」が原則ですね。なぜかと言いますと、新潟大学の安保徹先生が明らかにされましたが、副交感神経の活性化が免疫担当細胞のリンパ球を活性化することが分かったんですね。癌という病気は詰まる所、免疫系の病気です。つまり、免疫力が極度に落ちて、細胞が悪い細胞か良い細胞かの見分けがつかなくなった結果、出てくるのが「癌」なんですね。免疫力低下症候群と言えます。かといって、免疫力は過剰も困る。正常細胞までやっつける。これが、膠原病やアレルギーですね。免疫力過剰症候群といえる。癌は、免疫力が低下して、本来は出てはならない細胞の癌化を見逃したと言えます。ですから、それを司る副交感神経を刺激することが、延いてはリンパ球が活性化し癌細胞が減少するという仕組みですね。その副交感神経を活性化させるもっとも優れた方法が睡眠です。「寝る子は育つ」ですよ。ですから、逆に言うと睡眠不足とはストレスの中でも最も癌を引き起こす原因たり得るのです。その他、いい音楽を聴く、お風呂に入る、楽しい事をするなども、副交感神経優位になりますね。しかし、癌の末期と言われて、そんな気になれないと言われます。だから、癌は治りにくいんです。難病とは、治すことが難しいのではなく、死を前にしてなおリラックスすることが難しいと言う意味でもあるんですね。しかし、この仕組みを知れば、もうあなたは出来ますね。さあ、がん末期になればなるほど、必要なことはよく寝る、リラックス、楽しむ事なんですよ。
昼寝ですが、これは昼からの時間を有効に使うためには非常に有効な手段です。昼食後眠くなるのは、よく知れたこと。いっそのこと寝るのが一番効率的なんですね。ただ、寝すぎは駄目です。夜の睡眠に影響が来ますから。昼寝は30分以内にしてください。1時間は寝すぎです。30分後目覚めを良くするにはコツがあります。コーヒーを飲んで寝る事です。昼ピンピン何ら夜はコロ。死ぬ時もコロはまず間違いありません。有意義な一日一生です。

2、規則正しい生活スタイル

規則正しいというと堅苦しく聞こえますが難しくありません。寝る時間、起きる時間を決めて頂ければ実は概ね規則正しい生活スタイルとなります。これに加えて、食事の時間も決めればほぼ一日中、規則正しい生活と言えます。体には体のリズムがあって、意識的に決めた時間に体内時計も合わされます。すると循環器系、消化器系、バイオリズムなどすべて整ってきます。その結果、良好な睡眠が得られます。すると、昼もぴんぴんと元気でいられます。この時に、必要な気持ちは、その日のうちに出来ることでも、明日出来る事は明日に回すくらいの心の余裕です。そうしないと、もともと癌性格(C型性格)の人は、真面目で一生懸命で責任感があるので、自分だけ、夜なべをして終らせなくては迷惑だとばかり体に無理をするようになるのです。結果、睡眠時間が短くなり、本来はその日のうちに除去すべき新しい癌細胞も睡眠時の副交感神経の活性時間が短いため不十分になるのです。ですから、癌を言われたその日から、目覚まし時計ならぬ、入眠時計をおいて、寝る時間をお知らせしてもらいましょうね。鳴ったら寝ると決めるのです。

3、正しい食事

正しい基準は私は「遺伝子にあう食事」だと思っています。私たちは、大自然の中で生かされています。日本の風土気候と体はシンクロして実は一体のものだと思います。胴長短足の日本人の体形は間違いなく農耕民族から来ていると思います。長年、定住し、農耕して穀物を中心に食べた。だから、腸も長く治めるには長い胴が必要である。胴短長足の西洋人は狩猟民族として適応しているという事だと思うんですね。私は、私たち日本人としての遺伝子にあった食事が、正しい食事と言っています。穀物、野菜中心。日本なら、蛋白源はやはり魚貝類でしょうね。身土不二。土地のもの、旬のものを取る、というか我々の祖先は歴代それしか食べてこなかったと言う意味です。つまりトロピカルフルーツは駄目だとはいいませんが、きっと地球の裏側のバナナを食べることはなかったと思いますね。地球の裏から食料を持ってこようと思えば、ポストハーベストは必致でしょう。その農薬は、あなたの健康のためだと思いますか?
体の70%は水です。だから、飲み水はまずもってもっとも大切ですね。飲んだその日から体の組成成分が変化します。水道水は注意が必要です。消毒されていますが、あなたの体は消毒が必要ですか?洗たく、入浴は問題ないですが、体に入れる水は、良いお水を使ってください。私はペットボトルに入っている水は、概ね何でもOKだと言っています。しかも日本の名水が良いと思いますね。あなたも日本の美男美女なんですから。また、体の細胞は毎日200gづつ入れ替わると言われています。約2000億個の細胞ですね。それはどこから素材が来たかと言うと、全て食事です。新しい良い細胞を増やそうとするなら、当然良い食事が必要でしょう。あなたの新たな細胞になってくれて、食後はあなた自身へとなってくれる食事に感謝するのは当然でしょうね。ですから、食事の前には必ず合掌ですよ。「(お命を)頂きます」と言ってくださいね。その命のおかげで、癌の末期であろうが、今あなたは生きていられるのですから。
そして、食事に付いてはもう一つ大事な知見をご紹介しましょう。それは、食べない健康です。われわれは兎角、病気と言うと何か体に良いものを入れなければならないと思いがちです。しかし、甲田療法の甲田先生は断食少食による健康法を提唱されました。当院では、野口法蔵師の推奨する座禅断食を年に2回行っています。金曜日から日曜日までの3日間絶食するだけの短い断食会ですが、間に20分間の座禅と40分の休憩を挟んで繰り返します。私も7回ほど勤めましたが、このメリットは大きく3つあります。1つ目は「止悪」つまり、「食べたいという欲を我慢」が出来るようになると言う事です。これは最も強い人間の欲の一つである食欲を理性でコントロールできるので、どうしても「その一口が我慢できない」という人にぴったりです。2つ目は、免疫力の賦活です。延いては癌治療にも応用できますが、進行した癌は適切な栄養が必要なので注意が必要です。3つ目のメリットは座禅断食終了後の宿便出しですね。便秘症の方も殆ど、この何十年もかけて貯めた宿便がきれいに取れる時には何とも爽快感があります。
甲田先生は、「肥っているという事は、大食であるという事だ。われわれは生き物を食べて生きている以上、大食は最も多くの命を殺していることになる。大食漢に世界平和を説く資格はない」と厳しく過食を咎めておられます。

4、適度な運動

奇跡的に癌から生還したと言う人たちが必ず言うのが「運動」です。体を動かす事なんですね。最低、30分歩く。30分で、約3000歩、2kmです。
WHOの研究では、歩かない人は30分歩く人と比べると、癌は女性で16倍、男性で4倍多いというデータがあります。実は、癌だけではありません。歩く効用は、呼吸器系、循環器系、筋肉骨格系、腎泌尿器系、消化器系にも良い影響を与え、加えて、認知症にもなりにくいと言われているのです。所謂、メタボの人が高血圧、糖尿病、高脂血症などの薬を飲まれますが、その病気しか効きません。歩くのは全てに効きます。メタボに必要なのは少食と運動の実践なんですね。
歩く時間帯もあります。できたら、朝が良いですね。それも朝日が上がる時間。とっても気持ちがいいですよ。考えてみてください。50億年前の地球誕生の時は、地球は岩石の塊であったと言われています。それが、50億回、太陽の周りを地球が回った果てに、今の地球は、緑滴る大地となり生き物で溢れています。エネルギー源はすべて今日も上った太陽の光だけなのです。この太陽というエネルギーが毎日毎日、365日×50億回で生命が誕生しわれわれが今いるのです。命の根源が太陽と言って過言ではありません。有史以前、太陽神信仰は当然だと思いますね。そして、私の経験では、その太陽の命を育むエネルギーを最も感じることができる時間帯が、朝日の昇る30分です。今、命に限界を感じているあなた。もう一度命を取り戻したいあなた。それは朝日の中に無尽蔵にあります。
朝日の時間に合わせて30分歩いてみてください。生まれたばかりの太陽に向かって「ありがとう」と合掌しながら歩く。きっと命が芽生えます。

5、よく笑う

寝るところで書きましたが、笑う事も副交感神経が活性化されます。日本笑い学会などが明らかにしていますが、笑いと免疫の関係は学術的に明らかです。しかし、癌末期では笑う気になれません。でも、この仕組みを知ったからには、笑えるネタ本、笑えるテレビ、映画を敢えて見るという選択は出来ますね。実は大笑いをすると涙が出ますが、この涙の中に免疫物質が多く含まれており、免疫力が賦活化された証拠だと言われています。だから、実は泣くのも大いに結構です。大泣きは免疫力を上げるんですね。では、逆にどういう時に免疫力が低下するのか?というと、我慢なんです。感情を表出しないことのストレスは不満になって溜まります。これをため続けるといずれ塊になると思うんですね。「がまん」の間が抜けて「がん」ですよ。多くは不満の感情は怒りで、確かに「怒り」はストレスの発散方法の一つですが、問題は相手があるという事です。怒ってばかりいれば、憎まれものになる。確かに、諺から最も長生きできる方法かもしれませんね。「憎まれもの世に・・・?」でも、実際は怒りの対象の多くは人に向く事が多いので、対象が他人であれ、自分であれ、矛先は傷つけることが多い。しかも、「自ら出したものは必ず自らに還る」という法則からすれば、あまり「怒る」という方法は推奨できない。外へ出しても返ってくるだけですからね。そもそも溜まった感情の表出方法の一つに過ぎないので、怒る感情を笑いに変えたり涙に変えるのも一つの方法ですよ。むしゃくしゃしたらカラオケは大変有効。山上りして、「やっほー」って、思いっきり雄叫びを揚げるのも結構。酒飲んで、大いに笑う泣くも結構。(酒はタガが外れて、喧嘩になる可能性があるので注意が必要)スポーツで大いに汗を流すのも良いですね。兎に角還ってきても良い形で出してくださいね。
免疫力が落ちると癌細胞が体にはびこってきます。癌細胞をゴキブリに例えるなら、ゴキブリは暗い所で活動しますね。それを駆逐するために、一匹ずつ退治するというのが、西洋医学ですが、もうひとつあっという間に退散させる方法がありますね。それは、電気をつけて明るくするんです。ゴキブリはパッと散りますよ。良く笑う人を「明るい」人と言いますね。あなたが良く笑えば、あなたの60兆の細胞の隅々まで光はさしますよ。癌のエネルギーはきっとパッと退散します。間違いなく「笑う門には福来たる」ですね。

6、呼吸法、瞑想、気功

昔からの健康法に「調息、調身、調心」がありますね。心と、行いと呼吸を整えれば万病も防ぐの意味です。特に「寝る」項で書きましたように、副交感神経の活性化が免疫力を上げるコツだと書きました。大事なことは自律神経の調整なんですね。(自律神経=交感神経+副交感神経)自律神経は隈なく体中に張り巡らされていますが、本来私たちの意志とは別に自律して働いています。実は、ちょっと専門的になりますが、神経は、まず随意神経と不随意神経に分けられます。私たちの意志で動かせる神経を随意神経といい、運動神経が代表です。手を動かそうと思えば、随意に動くでしょう。一方動かせない神経を不随意神経と言って、自律神経が代表なんですね。例えば心臓ですね。あなたの意志で心臓を止めたり出来ますか?ところがです、体の中の臓器で、唯一この両方の神経の支配を受けている臓器があるんですね。それが、肺です。呼吸はあなたの意志で止める事も出来ますね。でも、寝ている間は勝手に動き、呼吸が止まりはしませんね。(止まれば、あら大変)ここがポイントなんですね。呼吸を意識でコントロールすると、何と自律神経までコントロールできるという訳です。だから、呼吸は随意に自律神経をコントロールする窓であり、免疫の窓であり、よって健康の入り口、癌治療の糸口なんですね。よって有史以来、呼吸法は経験的に行われてきました。ヨーガ、気功、瞑想も多く健康法に呼吸法が取り入れられるのはそのためです。どれでもいいので、あなたの相性で選んでくださいね。一つの簡便な呼吸法は、アリゾナ大学で統合医療を実践されるアンドリューワイル博士の提唱する方法でもいいかもしれません。ゆっくり数を数えます。まず、息を吐ききります。次に1~4息を吸います。1~7止めて、1~8吐きます。呼吸と書きますから、まず出すから始めますね。これを、朝起きる前の3分。寝る前の3分行うだけで、身体の調整が出来ると言います。できたら、この間、意識は入ってくる空気に集中してください。キラキラした綺麗なエネルギーが鼻から入り、ゆっくり気道から肺へ、そして肺から心臓の血流にのって全身隈なく行き渡り、次に病巣部分の黒いエネルギーを集めて吐く息とともに外へ放出するとイメージするのです。できますね。これならいつでも、だれでも、どこでも、無料で出来ますね。健康になるのにお金がいるのは平等ではありません。お金のない人は健康になれないのはおかしい。本当の健康法は平等であるか?が決め手じゃないでしょうか。

7、思いやり、祈り

それでも私達が、苦境に立たされた時。癌が進行し、すでに大量の痛み止めを使い、時に鎮静剤も使う状況になると、動きたくとも動けなくなり、食べたくても食事がのどを通らなくなる。寝ることは大事と言われても、話すことすらままならない状況になる。こうした状況になると、殆どの方は死を受け入れられるかもしれません。あまりに辛い状況の中、生きることの方が辛いからです。死を受け入れるとは、実は死よりも辛い事があると言うことに他なりません。それは痛みです。痛みから逃れるためには私たちは死を選ぶ。しかし、中にはそんな状況でも最後の最後まで前向きに生きんとされる方がみえます。しかし、今まで書いたような1~6カ条はすでに実践できる体力がない場合、われわれは手段を持たないのでしょうか?
在宅医療の経験から私は、あると思います。それが、「思いやり、祈り」です。
この背景になるのが、先にも書きました「自ら出したものが自らに還る」法則(私は因果関係仮説と言っていますが)を応用するのです。何もできない程の窮地に至ってもわれわれは、思いやりや励ましを受けてまた頑張れる場合がある。残される家族への思いやりの言葉、激励の言葉は必ずや、まわりまわってあなたのもとへ還ってくる。「ありがとう」と言えば、ありがとうが還ってくる。その言葉にあなたが再度元気をもらう。時には「そうか、もう大丈夫だ」と決心が出来る。命をかけた真摯な祈りは必ず成就すると私は思っています。
しかし、この思いやりとは、決して最後の最後に発動させるべき健康法ではありません。その場合、「思いやり」を「違いを認める」と言い換える必要があります。
ほとんどのトラブルはこの違いが認められないから起こります。家庭内の喧嘩から、国家間の戦争まで。私は自分の、自国の利益のみを優先した主張をするから、相手から同じ主張を引き出していると思うのです。要するに思いやりがない。互いの違いが認められないんですね。根っこには、自分が吸収される、奪われる、消される事へ不安と恐怖があるのかもしれません。しかし、あなたと私は同じと思えば、はじめから一つです。何も奪われず何も消えません。必要なのは、自分を信じ、相手を信じることではないでしょうか。と言いながらも、私自身はそれがなかなか出来ないでいます。自分自身の座右の銘とし、祈りとしたいです。

【C,癌の原因を取り除く】

これは、当然の理屈です。癌になるにはなる理由が必ずあるからです。ご存じのとおり現代の西洋医学の第一線全ての病院でなされている治療とは、がんを切除する。また抗癌剤、放射線治療ですね。癌は切れば、取れます。しかし、切ったからと言って治った訳ではない。このことに気がつくのに私は十数年かかりました。癌を治すには、癌を切り取るのではなく、癌の原因を切り取る必要があるのです。癌を切り取ることは問題ないのですが、ただの時間稼ぎをしているにすぎない・・つまり、現代西洋医学的治療の多くは時間稼ぎだと言う事ですね。真の治療は、その病気の意味をその人が本当に気がつくことにあり、それによって生き方が変わること。これこそが病気の目的ですから。だからこそ、病気を治すには、まずそれが出てきた原因に気がつくことが大事なんですね。しかし、思いの外、これが難しいんですね。難病とは、癌が治りにくいからではなく、癌の原因に気がつきにくいと言う意味なんですね。私は、癌家族論の中で、それに気がつく方法を2つお話しました。1つ目が、「癌の事は癌に聞け」です。なぜ癌が出てきたのか、それは当のご本人が一番知っています。だから、癌に聞くのです。2つ目は、癌になってから変わったことを書き挙げる。これは間違いなく癌にならなかったら変わらなかった事です。つまり、癌の言い分と考えてもいいんじゃないかという事なんですね。癌の原因と言うと、ちょっと気をつけて欲しい事があります。
あの人のせいで私は癌になったと言う人がいますが、それは間違いです。「あの人」が原因なら、必ず癌は「あの人」に出るからです。申し訳ないですが、やはりあなたに原因はあるのです。でも、考えようによってはその方が有難い事ですよ。もし「あの人」に癌の原因があるとしましょう。「あの人」が変わらない限りあなたの癌は治る術がないです。自分に原因があるからこそ、自分の意志で、自分が変われば治しうると言う事なんです。何と有り難い事でしょうか。(他人(ひと)を変えることの難しさはあなたも十分わかっていますね。まず不可能ですよ)
さて、癌の原因に気がつく1は、まず癌の事は癌に聞けですが、そういう私自身の癌(以下、彼と書きます)の経験から、心の耳をそば立てて、注意深く感じてみました。しかし、全く何も言わず、違和感すら感じないんですね。これで分かった事は、本当に癌は自分の細胞だと言うことですね。しかし、必ず言い分を持っているはずです。だから、癌細胞になった訳ですから。私はしつこく心の耳を傾けた。「なぜ出てきたの?」しかし、彼は存在を消しているかのようでした。しかしある時に分かりました。違ったのです。彼は雄弁に語っていたのです。「私が出てきた原因は、今あなたが気が付けないほどあなたにとって当たり前の中、だからあなたの気がつきにくい所にあるんだよ」というメッセージだったんですね。これは大変な事です。私の中での当たり前では気が付きようがない。つまり、自分の顔みたいな物ですよね。自分のものでありながら、鏡という第3者を使わないと見えない。自分の当たり前は他人からはよく見えると言うことになりますね。ではどうするか。一番近くでいつも自分の顔を見てくれている人、そう家族に、癌の原因を聞いてみる。ただ、聞き方があると思います。ここは大事ですが、癌の原因は、「悪」ではありません。「無理」です。癌家族論から、癌はあなたに命がけのメッセージを伝えてくれる家族のような存在だと言いました。だから、「私のどこが悪くて癌が出たんだろう?」ではなく「私はどんな無理をしてたんだろう?」が正しい質問の仕方ですね。間違えて、「どこが悪い?」なんて聞こうものなら、家族が自分の好き嫌いの印象で話す可能性があるので注意が必要です。でも、癌の当人はまず何でも受け入れる度胸をもって聞いてみてくださいね。家族も、大切な転生の相手ですので、日頃の鬱憤を晴らす好チャンスと思わずに、いつものように思いやりの精神でアドバイスしてくださいね。何せ、癌自体が命がけのメッセージです。またそんなに簡単に気が付けるものなら、治りもしやすい病気で出ます。癌が命がけなら、実は気がついて治すのも命がけで取り組むほど重大、深淵なメッセージである可能性があります。今、まだ私自身もすべてが分かっているわけではありません。現在、癌だと言われ闘病中の方、私と共に追求しようじゃないですか。

【癌末期の意味】

飯田先生の生きがい論から、私たちは、今生の人生を終えてあの世へ行き、あの世で光の前で自らの人生を振り返ると言います。そして、それを深く反省し、後悔し、懺悔し、その深さが深いほど、次なる人生の願いが立ち上がるといいます。今度こそは幸せになると。今度こそは失敗しないと。そして、その願いが成就できるために人生計画を自ら立てて、成就しやすいご両親、国、時代を選んで皆さんは何十年か前に今のご両親のもとに生まれたと言います。そして、われわれの予定通り、人生の道行につまずいた時に現れる仕組みとして作った「癌」が、予定通り訪れたことになります。なら、現在のあなたの癌は進行していようが切除可能であろうが、全てはあなた自身による予定通りの出来事が順調に起こっているのです。必ず乗り越えられます。ただ、肉体を持つと分からなくなるだけ。まずそれを信じてください。
今生の癌は、あまりに理不尽だと思うほど、どんな治療にも抵抗し、嘲笑うかの如くあなたの人生を翻弄するかもしれません。それでも、順調なのです。それでも、それを乗り越えることができるのです。それほど、こんなにつらい人生を予定できるほどにあなたは進化した魂なのです。生まれる前は覚えていたと言います。この世へ生まれ出でる前に、「こんなに厳し人生を計画したけど、あなたは本当に大丈夫ですか?」と優しく天使から聞かれたそうですよ。そして、あなたは「大丈夫」と応え、そして、今あなたの肉体を、そしてこの人生を選んだ、勇気ある魂なのです。
そんな絵空事と言われるかもしれません。しかし、証拠があるのです。いま、まさにそのあなたが、ここにいるじゃないですか。生き証人です。
必ず、あなたの転生の願いが成就出来ます事を心より念願しています。

追伸:願いを込めた統合医療センターが、今年H21年夏(6月頃)には、クリニックの北側に完成予定です。この施設では、癌末期だけではなく精神的にも悩みを持った方々に、「生きがい」を「創造」できるよう研究、実施、研鑽、発信できる場としてOPENする予定です。飯田先生の生きがい論をベースに西洋医学と補完代替療法を3つの頂点とした三身一体とした施設です。
この世に生まれたからには、波乱万丈の人生の荒波に揉まれようとも、諦めず「今を生きる」ための道しるべとしての施設を目指しています。
過日、棟上も終わり、順調に進んでいます。
皆さん祈りを込めて楽しみにお待ちくださいね。