では、どうやったら四合わせ(幸せ)になれるのでしょうか?
それが、かつて私が提案した、健康への7カ条なんですね。この7カ条はあまりに当たり前すぎるせいか、聞かれてもピンとこないようです。加えて、最近は「早く死にたい」と申される方も増えました。
そこで今回は、この健康への7カ条を見方を変えて、不健康への7カ条(早死にの7カ条)としてご紹介しましょう。
どうやったら、早く病気になって早く死ねるか?そのコツをお話ししましょう。
そうすれば、え?自分は不健康な生活をしながら健康になりたいと思っていた?
と思われるかも?
では、始めましょう。
「不健康になるためには?(早死にする為には?)」・・・
1カ条:良く寝る・・・のは駄目ですね。
早死にの為には、眠らない事、眠らせない事が大切です。古から、戦場での兵法では、敵兵を眠らせない事が勝利の入り口と言われました。寝なければなんでもOKですよ。夜遊びだけじゃない、夜勤も大いに結構ですね。有名な新潟大学教授の安保先生によりますと、良い睡眠は、身体の副交感神経を大いに活性化して、リンパ球を増加させます。その結果、折角出来た数千個の癌細胞をやっつけてしまうんですね。
これは一大事です。折角細胞が癌細胞になりかけているのに治してはいけない。出来たら、横にならない方が効果的ですね。寝そうになったら、目覚ましを1時間おきにでもセットして、起きましょうね。
すると交感神経が活性化。交感神経は顆粒球を活性化して、フリーラジカル(活性酸素)がどんどん増え、正常細胞を傷つけてくれるのです。だから不健康の為にも、癌化の為にも、寝ない事がまずもって一番大切です。
「不健康になるためには?(早死にする為には?)」・・・
2カ条:規則的な生活リズム・・・は駄目ですね。
全ての病気は乱れが始まりですね。自然界は全てきちっとした周期で繰り返されていますね。朝―昼―夜(地球の自転周期)、春夏秋冬(地球の公転周期)、潮(月)の満ち引き(欠け)(月の公転周期)から、彗星の周期まで。一方身体も心臓のリズム(心拍)、呼吸のリズム、睡眠のリズム(サーカディアン・リズム)から女性の生理のリズムまで実は全てが実に規則正しく運行されています。全ての病気は、このリズムの滞りや乱れが原因と言えます。このブレの程度の大きさが、病気の重さに比例すると思いますね。皆さんも、風邪を引いた事があるでしょう?原因は、ウイルスだと言われますが、我々医療者は毎日沢山の風邪の患者を診ますが、簡単に風邪など引きません。しかし、夜更かしや身体の無理があって診療するとすぐ引きますね。
これはとっても大切な事で、原因があっても誘因がなければ発症しないという事は知るべきですね。たとえば癌も、実は癌遺伝子が原因と言いますが、全ての人が癌遺伝子は持っているんですね。でも、癌になる人とならない人がいるのは、誘因を近づけているか遠ざけているからにすぎないという事。そして、生活リズムとは大切な誘因の一つなんですね。
さあ、では不健康の為には、どうするべきでしょうか?先に寝ない事を上げましたが、加えて寝る時間と起きる時間をバラバラにすれば、より効果的である事が分かりますね。加えて、食事の時間もバラバラが良い。時には食べなくともよい。つまり、睡眠と食事を不規則にとることが、まず一番大切な事ですね。
そして、仕事ですが、不健康の為には、週単位での日勤夜勤より、毎日の勤務交代が一番ですね。え?十分な休養がある?それはいけません。若いうちは元気があるので、少々の不規則的な生活では病気にはなりませんが、病気になるなら年余にわたって不規則的な生活リズムを続ける必要がありますね。
私も勤務医時代に、当直で病院救急外来の呼び出しでは眠れない事が殆どで、その上、当直明けは、日勤です。生活は不規則でしたね。勿論休息日なし。病気になるには、これを続ける事が大切だという事ですが、最近の大きな病院の若手医師がつっけんどんなのは、あまりにも疲れ果てているからなんですね。「がんばれ、もう少しで楽(過労死)になる」とエールを送る事が大切ですね。
「不健康になるためには?(早死にする為には?)」・・・
3カ条:正しい食事・・・は駄目ですね。
食事=身体ですから、不健康な身体を作るには、不健全な食材と不健全な食事方法が基本ですね。
その前に、では健全な食材と健全な食事方法は何でしょうか?まず、健全な食材とは、私は我々日本人の遺伝子にあった食材だと言っています。
私たちの先祖は、遥かなる古より、この島国にあって、この土地、風土、気候に育ってきた食材で生きてきました。我々の先祖は、この土地にその時にしか出来ない作物しか食べられなかったという事です。今でこそオーガニックなんて言葉も生まれましたが、先祖はオーガニック以外は食べた事がない。また、日本人の遺伝子にあった食事方法とは、私は「腹7分目」と言っていますが、それは、先祖は長らく食材も乏しく空腹が常だった(腹7分以下?)という事に過ぎません。その結果、今の日本人の遺伝子が出来上がり、その末裔の一人として貴方が現代に生まれて来ただけなのです。あなたの意思とは別に、わたし達日本人は生まれながらにして、この土地の風土、気候など大自然の遺伝子を肉体レベルで貰っている(同一)ですね。ですから、「健全な食事」とは「遺伝子にあった食事」であり、「旬・土地・自然・腹7分目の食事」だという事になるんですね。
ここまで分かれば不健全な食事は分かりますね。「旬でない、土地のものでない、自然でない、たらふく食べる」という事になります。
では、なぜ不健全なのでしょうか?旬以外の食材は、かなり消毒や保存料などが使われている事が多い。冬に夏の食べ物(スイカ・トマト・・)を作るには、環境に無理をかけなくては出来ない。また、土地のものでない限り、運ぶのに無理がかかる時もある。地球の裏から持ってくる生食材もたっぷりポストハーベストが必要ですね。
自然でない食品なんてあるの?と言われれば、一番はやはり遺伝子組み換え食物でしょう。遥かかなたからの淘汰の果てに最終的に地球上に「存在」を許された仕組みの設計図が「遺伝子」であるのに、それを書き換えてしまう。人間の都合によって。つまり、地球上にない物を作りだしたんですね。これこそ、不自然な食品ですよ。
こうした、食材を俯瞰した時に、共通点がありますね。それは、「旬でない、土地でない、自然でない」ものを、「なぜ」「誰の為」に作り出したのか?ですよね。この目的はきっと同じだと思うのです。皆さんは、「なぜ?」とは「健康のため」、そして「誰の為?」は「消費者の為」と思われますか?皆さまの健康増進の為に添加物を入れ農薬まみれとして、遺伝子まで組み換えてくれた・・・と思われますか?そして、この食材を「腹一杯食べる」ということは、一体どういう事でしょうか?
最初に書きましたように、食事=身体です。この食材を毎日腹一杯食べると、毎日200gの細胞が入れ替わりますから、100日で20kg、1年でほぼ大人一人分の全細胞が入れ替わりますから、1年食べ続けた結果、皆さんの身体そのものが、添加物と農薬と遺伝子組み換えそのものの身体となります。身体には従来より免疫能があります。「自己と非自己を認識して非自己を排除する」という能力です。これによって、ウイルスや癌まで排除する仕組みがあるのですが、1年間、異物を食べ続けた結果の皆さんの身体は、異物そのものになったとは言えないでしょうか?あなたの免疫能は貴方自身を攻撃することになります。
なぜなら、今となっては、貴方は単なる異物ですから。
さあ、ここまで書けば分かりますね。そもそも、不健康になるにはどうするかですから、「旬でない、土地でない、自然でない、腹一杯」が最も早く身体を壊す手段と言えますね。食べた食材のみでなく、自らの免疫能すら活用するという極上の不健康法ですね。
1カ条と同じく、大事な項目なんでもう一度繰り返しますね。極力、所謂ジャンクフードを腹一杯食べる。有難い事に今巷には大流行りですから。買うには事欠きませんね。買うなら少しでも安い方が良いですね。安い食材は、安いだけの理由が必ずありますから。
オーガニックな食材ですら、超満腹は病気の第一歩ですから、毎日ジャンクフードを超満腹を続ける事が病気になるにはとっても大事ですよ。ちなみにジャンクとは「ガラクタ」という意味ですが・・安心しましたか?
ただ、一つだけ注意してくださいね。最近、偽装表示なるものが登場しました。これは、何ともしようがありませんね。今までは、少なくとも表示は正確である事が前提ですが、人間とは常に上を考える生き物ですね。それも、所謂ブランド店まで(の方)が、しばし報道されているようですね。押し並べて、「安かろう、悪かろう」ではなくなった点が注意を要しますね。すると、食材だけは、不健康にはなれない可能性がありますが、やはり食べ過ぎは不健康には良い方法と言えるでしょうね。
酒とタバコ
加えて、飲むと言えば、習慣として酒とタバコが上がりますね。まずは、通常の健康では、この両者は、特に男性にとってのストレス発散として大切なツールだと言われています。ですから、適度に飲むのは良いですが、あるところから毒に変わりますね。これは食事も同じでしょうか?
どこから毒に変わるかは、実は簡単なんですね。「飲む」が、「飲まれる」に変わった時からなんですね。「酒を飲んでいる」うちはまだ良いのですが、「酒に飲まれた」ら酒は毒に変わります。つまり、「酒」がなくては生きていけなくなった時ですね。タバコもしかり。
お金もしかり。酒、タバコをやらない人も、殆ど現代人は「お金中毒」には、かかっていると思いますよ。
ただ、タバコだけは、適度なら良いか?と言うと、むずかしいですね。どうも最初から毒ですね。吸っている人にとってじゃなくて、周りの人にとってですが。ですから、タバコは吸っても良いですが、吐かない事が重要ですね。
最近では、このタバコの持つ毒性が特級品であることが分かってきました。ほぼあらゆる病気を煽る働きがあるようですね。肺癌の様に呼吸器だけじゃなくて、循環器、内分泌、消化器、免疫能まで広く健康を害する事が分かってきました。不健康な立場からは、これを使わない手はありません。
まず、タバコと酒は必ずやる。しかも、多量ですね。どれだけ、健康を豪語しても、私の経験では、この2つだけで不健康などはすぐ飛びこして、十分死ねるだけの不健康法ですね。タバコは20本、毎日。酒はビール大瓶2本を毎日飲むのが最低ラインですね。あとは、身体が持つまで続ける、・・・で、いずれ駄目になりますから。
「不健康になるためには?(早死にする為には?)」・・・
4カ条:適度な運動・・・は駄目ですね。
不健康の為には、適度な運動はしないに越したことはない。考えてもみて下さいね。適度な運動は、循環器系、呼吸器系、筋肉骨格系、泌尿器系、内分泌系、免疫系、精神神経系を適切に刺激して病気を予防してしまいます。詰まるところ、所謂肉体は適度に使ってこそ、機能が保持されるんですよ。
宇宙飛行士が宇宙から帰って計測した骨量や筋肉量が極端に低いのをご存知ですか。宇宙では重力がないため、身体を支える骨や筋肉が必要ないんですね。しかも短時間でこの変化は起きます。身体の全臓器は働かせることこそが老化や病気予防に一番なんですね。という事は、極力不健康の為には一日中、身体を動かさずジッとしている事が身体の機能を落すコツですね。
特に、3カ条のジャンクフードをお腹一杯食べた後に、ただ寝るだけ。折角入れたカロリーを消費してはいけません。今、流行りの「あぶらー」ですよ。間違いなく、油でドロドロになった血液で、肝臓だけではなく、血管壁もぼろぼろになる。全ての血管がボロボロになれば、すぐ詰まるか破れますね。運動すると、折角のドロドロ血液をサラサラに変えてしまうんですね。ですから、運動不足は病気の入り口なんですね。お勧めです。
「不健康になるためには?(早死にする為には?)」・・・
5カ条:よく笑う・・・は駄目ですね。
ひと笑い3000個の癌細胞が消失すると言います。癌細胞を増やそうとしているのに、減ってはオオ大変。では、どうやったら癌細胞が増えるか?笑うの反対ですから泣く事?いや違います。泣くのも実は癌細胞が減るんですね。泣くも笑うも心のエネルギーの発散です。実は癌は心にストレスをためる事が大切なんですね。だから、不健康なためには、このストレスを貯める、つまり我慢ですよ。腹が立っても、苦しくとも、とにかく我慢し続ける。我慢するのに、もっとも強大なパワー(毒)は「怒り」だと言われているので、どんどん怒る。
でも、我慢する。しかも怒りの感情を表さない方がより効果的。顔で笑って心で怒る、この八方美人的な生き方が良いですね。美人薄命ですから。これが一番良い毒ですね。笑ったら折角ためたこうした毒が出てしまいますからね。決して笑わずですよ。日常生活での注意点は、よく笑う人の傍(明るい環境)へは行かない。笑えるテレビは決して見ない。何でもひねくって見る習慣をつける。
あと、笑う人は、「今に生きている」と言われます。なぜなら、今に生きていないと、笑える題材に気が付けないんですね。ですから、今に生きない事が不健康の為には良い。今に生きないとは、どういう事でしょう?それは、「執着すること」なんですね。
過去への執着(あの時にああすれば良かったのに・・・の逡巡)を「後悔」と言い、未来への執着(もし、そうなったらどうしよう・・・の逡巡)を「不安」と言いますね。
如何ですか?「後悔や不安」に苛まれている人に笑顔はありますか?ですから、不健康の為には、過去に起こった嫌な事を極力思い出して、人のせいにして悪口を言い続ける。また、不健康の為には、未来に起こるかもしれない事態を出来るだけ悪く予想して、「いや、きっとそうなるに違いない・・」と思い続ける。
常に、被害者は自分というのが想定しやすい。つまり、出来事の全ては人のせいで、被害は常に自分に来るという考え方こそが、最も不健康になるためのお勧めの考え方ですね。
過去は変えられないし、未来は未だ来ていない。いずれも実態はない単なる妄想の世界なので、この螺旋は終わる事がない。
間違いない事は、この思考中(妄想中)に、笑顔はまずない。どんどん免疫力は落ち、不健康路線まっしぐらですね。ただ、ちょっと気をつけて欲しい事があります。
不健康になるための視点から考えて、注意が2点。
①不健康の為には、過去は出来るだけ「執着」する事であり、決して「反省」してはいけない。「反省」は駄目です。反省は間違いなく今を生きていますよ。なぜなら、過去を振り返って、至らぬ点を見出し、今からどう生き直すかを考えることを「反省」と言いますからね。ね、「今から」ですから、まさに今を生きているでしょう?これでは、「笑顔」が出てくる可能性がある。
②不健康の為には、未来は、出来るだけ「不安」と見るべきです。間違っても「希望」と見てはいけない。コツは簡単で、未来は全て%の可能性の世界ですから、極力悪い方を期待すれば「不安」となり、良い方を期待する事を「希望」と言いますから、未来を極力悪く期待する事が大切ですね。間違っても良い方を期待すると、「希望」が湧き「笑顔」が出てくる可能性がありますからね。
宜しいですか?笑顔にならないコツは、執着し不安に生きることですよ
「不健康になるためには?(早死にする為には?)」・・・
6カ条:呼吸法、気功、瞑想・・・は駄目ですね。
詰まるところ、こうした調息、調身、調心は、不健康になるためには注意が必要です。大いに乱れた方が良いという事です。先の不安の時を想像してくださいね。
まず、呼吸ですが、速く浅く上がっていますね。これは、実は実験も出来ますよ。出来るだけ浅く早く呼吸をしてみる。1秒に一回の呼吸を1分間で十分です。
周囲が暗くなり頭がぽ~としてきます。既に病気の入り口ですよね。続ければ間違いなく意識がなくなりますね。
過換気症候群と言います。歴記とした病名ですよ。ですから、極力呼吸が乱れるような生き方が最も不健康の為には良い事になりますね。
「不健康になるためには?(早死にする為には?)」・・・
7カ条:思いやり(違いを認める)・・・最も駄目なんですが、人によっては「重い槍」になる人もいるので、「本当の思いやり」ではなく「偽の思いやり」は歓迎ですね。
ちょっと、癌発生のシナリオに照らして見てみたいと思います。
私の経験で、まず癌患者で人の悪い人はいません。皆さん良い人ばかりです。ただ、良過ぎるのが問題ですね。何が「過ぎ」た部分かと言うと、まず性格的に、真面目で責任感の強い努力家が多いですね。一度言い出したら聞かないという頑固さもありますが、周囲からは、「思いやりのある良い人」といわれている事が多いですね。こうした人をC型人間(Cとは、癌のこと)と言いますが、この人の「思いやり」は注意が必要ですね。
癌発生のシナリオ
つまり、真面目で努力家ですから仕事が出来る。だから、周囲からもあてにされ、依頼が増える。この人は、人が良いので、断れないので、どんどん仕事量が増える。この時の心の中のつぶやきは「私が頑張れば済む事さ・・あの人には悪くて断れないよ。ま、大丈夫さ。何とか今日中にやろう。寝なきゃ良いだけさ・・」
夜も寝ずに、生活スタイルは乱れ、食事もジャンクで早く済ませ、時には抜く事もある。こうして、頑張った結果、仕事が出来てしまう。これが評価されると、ますます断れなくなる。近くで見ている家族は休むように進言するが、もともと頑固なので「大丈夫」と言って聞かない。この状況が続くと、身体の細胞は疲弊し、無理に無理が重なり、最初は楽しかったのに…いつからか、仕事が辛くなってきたと感じ始める。
でも、迷惑はかけられない、今更断る事もできないと。こうして免疫活性が極端に落ちてゆく。そして、とうとうある瞬間に癌細胞が誕生する。
癌が悪の結果出るのではなく、無理の結果であるという私の持論はこうして生まれました。私はこれが、発癌のメカニズムだと思っています。癌の原因は遺伝子であっても、癌家系などの素因の上に、こうしたライフスタイルが誘因となって、無理が募れば早く発癌するだけの事なんですね。その結果、癌で死んでは、結果的に家族や皆さんに迷惑がかかります。つまり、この人の思いやりは結果として迷惑であった可能性があるという事です。私は、こうした災難を沢山外来で見てきました。この「思いやり」は、もはや「偽の」と形容するしかないと思うようになったのです。
しかし、この人のどこに、「偽」があったのでしょうか?
それは、思いやりの対象なんです。対象に「自分」が入っていない。他人様だけなんですね。「思いやり」とは、「半ばは他人様を、半ばは己を」が大切。
それが、なぜか思いやりと言うと、全て「他人様のため」と思い込んでしまう。なぜでしょうか。
私は「犠牲心」だと思うんですね。「私が犠牲になって、頑張って皆を救う」という発想法は美徳だと思いがちなんですね。
では、この人のどこに「偽の原因」があったのでしょうか?
もし、神がいて、私達が等しく神の子だとしたら、神は、皆の幸せの為に誰かの犠牲を望まれるでしょうか?貴方は私であり彼なら、貴方の幸せは私の幸せであり、彼の苦しみは私の苦しみになります。貴方と私と彼を見分けて差別した目が「偽り」を作ってしまった可能性があるという事ですね。つまり、「あなた」と「私」は「別の人」という思い込みがベースにあって、「私さえ我慢すれば・・」という犠牲心が延いては自らの健康を害し、最終的に全体の不利益となる可能性が高いという事だったんですね。結論ですが、「誰かの犠牲の上に決して皆は救われない」という事なんですね。
自分の願いに正直に生きる
ですから、依頼があったら、一度貴方自身の正直な身体の声を聞いてみる。次に、身体が「No」を発信してきたと感じ、しかも、それが、「怠惰(面倒くさい)」からではないと確信できるなら、勇気を持ってお断りする事が大事なんですね。依頼者は、がっかりするでしょうが、それは依頼者側の気持ちであって、間違いなく貴方の身体は喜びますね。笑顔で「ごめんね。またね」と言う。いつも拒否していたら、きっと所謂「憎まれ者」になってしまうかもしれない。しかし、世に言う格言では「◎◎者、世に憚る」というので、長生きの観点からすれば占めたりなんですが・・・ね。?
さて、長くなりましたが、では、不健康の視点からはどうするのが良いのでしょうか?
そうですね、性格ですから実は本人はなかなか気が付けない事が多いようですね。ですから、先にも書きました性格で「真面目、一生懸命、努力家、責任感が強く、犠牲心も強い、で少々頑固」なら癌性格ですから、
加えて生活スタイルが不規則で食事も不規則、酒もタバコも飲み、運動なんて当然しない、
あまり睡眠もとらず、生活や仕事のくすぶる不満も多い。笑顔が減ってきた。こうした生活が10年続けば、そろそろ癌発生のはずですね。必ず体調不良がある。
しかし、ここは我慢どこで、決して受診や健診、ドックもせず、2~3年待てば、晴れて手遅れになる可能性が高い。
*******************
さあ、如何でしょうか?
何か反対の事ばかり書いていたので、そのまま信じないでくださいね。是非日頃の自らの生活に一致する処があれば、是非今日から訂正を始めて下さいね。(実は外来に来られる患者さんで、「健診なんて受けてない。病院は嫌いなんで・・」と初診で見えた人の方が重症が多いですね。
逆に、体調不良を訴え、ドクターショッピング(失礼)している患者さんは、実は最初から安心して診ています・・内緒ですが・・・)
認知症との付き合い方とは?
次は、高齢者に多い認知症の問題をちょっと見ておきたいと思います。
どうやったら認知症を予防できるかですね?
認知症ですが、これは病気もありますが、どう考えても老化の要素が強いですね。髪が白くなったり、皮膚にしわが増えるのと同じく、脳も老化する。20歳を超えたら、毎日1万個の脳細胞が死んでゆくと言われますから、80歳になったら、10000×365 ×60=219,000,000(2億1900万)個の脳細胞が無くなっている!大変な事ですね。しかし、全脳細胞は150~200億個もあるので、まあ、何とか生きれるんでしょうね。
認知症と言うと「物忘れ」と思う人がいますが、実はこれより前に出てくる症状があると言われます。それは「意欲の減退」ですね。それまでしていた毎日の習慣をしなくなります。確かに、目も見えず、腰や膝も痛くては、毎日のお勤めも重労働ですね。しかし、こうして動かなくなると一気に老化が進み、認知も進みますね。
では、この認知症をどう予防するのでしょうか?
健康の4カ条にあるような脳の運動なんです。勿論身体の運動も実は脳を働かせます。よって、散歩は良い脳刺激なんですね。ADL(日常生活動作)に合わせて刺激方法も様々ですね。
1、ADL正常で身体が動く人・・・散歩(1日30分以上が基本)足・手を使う。
2、ADL低下で、歩きにくい人・・・日記(1日の終わりに思い出し、まとめて書く。三行でも良いので、
毎日書くことが大事)手を使う。
3、ADL低下して、車椅子の人・・・出来たら日記。または、毎日、新聞を読む。
4、寝たきり。意識ありの人・・・テレビ、ラジオなど視覚・聴覚刺激(受動的)
*ポイントは、人の能力を保持し、伸ばすためには、元気な人々の中に集うのが一番である。自ずと人は同じ色に染まる。(近朱者赤、近墨者黒)
認知症で辛い事は、問題行動です。
昼夜の逆転、妄想、介護への抵抗、暴言暴行、不潔行為(便コネなど)、異食行為、徘徊などですね。
高度の問題行動のある認知症の患者さんは、正直に申し上げて、専門施設に任せた方が良いと思いますね。
恥ずかしい事ではないので、最寄りの医療機関か、市役所の福祉課、または保健センター、地域包括支援センターへご相談ください。
治療方法として内服薬もありますが、今のところ特効薬(思うように効く薬)はないですね。
大事な事は、認知症は正常の老化の過程でもあるという事ですね。ですから、認知のない今のうちに、行く先(老後)をどうしたいかはっきり表明しておく必要がありますね。
そして、少しでもボケないために、身体と脳を動かす。
健康の7カ条は間違いなく脳の老化も予防しますよ。
老後をどう生きるか
さて、では最期は「老後とは何時か?どう生きるか?」という問題に入りますね。
老後とは、どう考えても「死」しかないですよね?
本来、死は病気の結果ではなく、老化の結果ですから、きっと健やかな老後とは健やかな死であって、それは病死ではなく老衰なのかなって思います。
しかし、死亡診断書を書いていて、老衰は少ないですね。現在の日本人の死因は、癌と心臓病と脳卒中で6割です。後は肺炎とか自殺とか事故ですね。
現在、日本人の平均寿命(男78歳、女86歳)を超えておいでになる方は、今まで長々と読んで頂きましたが、実に良いライフスタイルで、良い生活を送ってきたからこそ長生きしてみえるわけです。正直に申し上げて、今までの生き方に間違いはなかった生ける証人なんですね。
(中には、少数ですが先の不健康の勧めを実践されているにも拘らず、病気になりにくい人がみえますね。それは、ただ単に極めて丈夫な遺伝子を先祖から頂いているだけであり、単なる「天恵」でしかありません。決して正しい生き方ではありませんので、ご注意を。
大切な事は、病気をしない事ではなく、病気をしようがしまいが、それを条件として貴方がどう生きるか?という生き方が問われているんですね。丈夫に生んでくれた先祖に感謝してくださいね。)
現在、少々体調がすぐれなくとも、それは老化なら当然だし、これからは是非、最期の死に場所をどこにするかを考えて頂きたく思います。
さあ、まずお聞きしますね。
「貴方はどこで死にたいですか?」・・・
では、現在の医療保険と介護保険制度の中での、皆さんの老後(死までの過程)の平均的な1例をご紹介いたしましょう。
私たちは病気でも,老化でもいずれ最期(とき)は来ますね。先にも書きましたように、老衰は少なく、殆どは癌・心臓病・脳卒中・肺炎などの病気が入り口になる。つまり、まず入院です。時に(多くは)この入院は突然です。
(現在内服されている方は、その可能性は高い)突然とは、準備なしという事です。そう、今夜かもしれない。救急搬送かもしれませんね。しかし、入院期間は長くて3カ月。急性期の治療はここまで(医療保険範囲)で、実は其の後は退院を勧められます。
病状は安定し、その後は介護保険範囲だという事です。2000年に導入されたこの介護保険は、次なる施設として特別養護老人ホーム(特養)か、老人保健施設(老健)、グループホームなどを準備しました。
勿論、ご自宅へ帰ってもよい。また、経口から食べられない人は、退院の為には、貴方の意思に関わらず、栄養のルートは確保する必要になりますね。
点滴は、施設は嫌いますから、殆ど今は胃ろう(PEG)ですね。
家に帰れない本当の理由は介護者の微妙な介護意欲?
あなたの家に介護力があり、しかも家族に介護意欲があれば自宅に帰れる可能性もありますが、現実は貴方の介護をしても、一銭にもならないし、誰も褒めてもくれない。
加えてオムツ交換や床ずれの処置はかなりの重労働。夜間も何度か起こされ、加えて小姑のチェックは厳しく、手は抜けない。コーヒーも飲みには行けないし、況や旅行なんて出来るはずがない。
家計も現在の経済不況の為、一銭にもならない介護をするくらいならパートでも出て少しでも収入を増やした方がよいし、介護保険の導入は国がこうした人の老後を保障した為、ますます退院後は自宅ではなく施設に入る事が多くなってしまったんですね。
しかし、まだ屋根の下で死ねるだけ良しとすべきかもしれません。20年後(西暦2030年)には、全国の年間死亡者数は160万人を超え、47万人が死に場所が無くなるという状況ですから・・。
将来を考えた時に、今亡くなる方は良いな~と思う事がありますよ。
私の勤務医時代の経験から、殆どの方は最期に家へ帰りたいと申されました。
そして、それでも家へ帰れない2大理由は、1、家族に迷惑をかけたくない。2、死までの過程の不安でした。1,2がクリアされれば、誰もがまず家で死にたいというのが本心でした。
しかし、その後開業し在宅での経験では、特に介護保険導入後は、介護力という点で、明らかに年年貧弱になりつつあります。つまり、多くの方は、相変わらず自宅へ帰りたいと申されながら、施設になります。
しかし、中には本願通り自宅へ帰れる人もみえます。それは、ご家族に介護力があるという大前提の上で、介護意欲もあるという事なんですね。「貴方を自宅で看てあげよう」「看てあげたい」「是非看させてほしい」(後になるほど、介護の程度が上がる)
という介護意欲がなくては、自宅へは帰れないという事なんです。そして、どうしたら、家へ帰れるかのキーワードが分かってきました。それは、偏に人間関係です。簡単に言えば、介護する人と介護してもらう人との人間関係が良くないと家へは帰れないという事なんですね。
勿論種々の問題故、関係が良くても帰れない場合も多くありますが、最低限関係が良くないと帰れないし、よしんば自宅へ帰れても、病気前の関係性が悪いと、あまり良い介護は受けられませんね。当然ですよね。
だって、病気になったとたんに、急に優しく面倒見てくれるだろうなんて虫の良い事は考えない方が良い。
では、どうしたら良いのでしょうか?
家で死ぬための準備
①まず、どこで死にたいかを今一度自分自身で確認する。
②死に方で、むやみな延命を希望されない場合は、必ず「尊厳死宣言書(リビングウイル)」を記載しておく。(安楽死ではありません)これを書く時には、家族で話し合って、皆の前で宣言してから記入する。間違ってもこそっと独りだけで書かない。
また、宜しかったら1部コピーして当院へお送り頂けましたら当院で保管します。
③早速家へ帰れる為の環境作りを始める。
ⅰ)家へ帰る時、誰が自分の面倒を見てくれるかを見極める。
ⅱ)その人との人間関係が家へ帰れるか、また帰った後にきちっと世話をしてくれるかの分かれ道。もし、良い関係なら、間違いなく家へ帰れるし、しっかりオムツも替えてくれる。
ⅲ)そうした人間関係が出来ていない場合は、早々に人間関係の再構築に入る。最も、有効な方法は「本当の思いやり」。心より家族を大事にすること。しかし、今までの人間関係で既に改善困難な人は「現金」が即効性あり。無理でない範囲で、月に1回程度渡す。(「ありがとうね」と声かけも忘れない)
ⅳ)然るべき介護者がいない場合は、施設入所になる可能性あり。まず、介護保険の仕組みを知る。お金が必要になるので、入所の場合平均して月10~15万円程度必要となるので、今から貯金する。(最期、お葬式の費用を準備される方もみえました。)
④最期の最期は、誰でも訪れますが、最期の言葉をお忘れなく。
「ごめんね。ありがとうね。また逢おうね」この3つは必ず家族にお伝え下さいね。
注意)また、最期になると思いのほか声が出ません。頭も回りません。貴方が亡くなって遺族のトラブルは多くは金銭がらみです。どこに印鑑・通帳があるのか、相続に関しての御希望もはっきりしておく必要がありますよ。
さあ、では、この通信を読んだ時から家で死ぬための準備を始めてくださいね。
これが出来た人は、私が思うに、家族は間違いなく貴方自身が位牌になった後もお参りをしてくださいますよ。燈明を灯し線香を炊いて、供物も供えてくれると思いますね。そして、最高の御馳走は、家族の心からの「感謝」ではないでしょうか。
孫子も、貴方の優しさを見習い、貴方の様になりたいと、貴方の遺志を受け継がれていくことでしょう。目指すべきは「良好な家族関係」、そのコツは「本当の思いやり(時に現金に化ける)」ですよ。
早速今日から実践しましょうか。 お互い、明日にはどうなるか分からないのが人生なんで。
一寸先は闇? でも闇の外は光・・・そう一寸先は光!!(飯田史彦先生)
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