AGEって知ってますか?
船戸 崇史
私のある日の食事です。
A:座禅断食後の待ちに待った開けの食事です。 |
一方 |
B:ある往診途中の昼食です・・・ |
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AまたはB、どちらの食事が良いでしょうか?・・という話ではありません。
身体=食事の法則から、健康な体つくりは健全な食事にあります。しかし、食事は、食材、摂取量、食事時間(食べる時刻と食事に要する時間=噛む時間)など色々な要因があります。しかし、もう一つ、食べる順番もあったんですね。
【AGEとは?】
Advanced Glycation Endproducts(最終糖化産物)と言います。近時これが、老化促進の原因物質であり、様々な病気の原因でもあると分かってきました。本体は、血液中の余剰な糖(ブドウ糖)がタンパク質と結合した最終産物です。最終ですから安定しています。しかし、糖そのもに問題があるのではなく、問題は、糖の過剰摂取と、保存過剰(使われない=運動不足)なんですね。使われない糖は身体のタンパク質と結合して(糖化)、老化の促進だけではなく、種々の病気を引き起こしていたのです。
【AGEの関わる病気】
所謂、慢性疾患(生活習慣病)は全て関係していると言えます。
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1) |
骨粗鬆症:骨を支えているのはコラーゲンという蛋白質が糖化した状態。骨折の原因となる。 |
2) |
変形性関節症:関節や靭帯の糖化が変形をきたした状態。 |
3) |
心筋梗塞、脳梗塞:心臓や脳の血管のタンパク質が糖化した状態。脳卒中、心筋梗塞の原因となる。 |
4) |
癌:細胞の糖化が遺伝子異常をきたし癌化する。動物実験では、糖化は癌細胞の増殖を促し、転移しやすくなることが動物実験で証明された。
従来、癌化は種々ストレスにより発生する活性酸素が遺伝子を酸化し遺伝子変異をきたした結果だと言われていました。それに加えて、糖化も癌の原因になっていたのです。「酸化が錆びるイメージとすれば、糖化は焦げるイメージ」と言われています。上手い表現だと思います(山岸昌一教授著書P103)。 |
5) |
アルツハイマー認知症:AGEの多い人ほど認知症になりやすい。 |
6) |
更年期障害:男性では男性ホルモンが減りインポテンツ。女性では女性ホルモンが減り更年期障害を起しやすくなる。 |
7) |
その他:白内障、歯周病、メタボリックシンドローム、脂肪肝などに関係している。 |
8) |
老化現象:AGEが、何よりも老化現象を促進している原因物質だったんですね。 |
【AGEの原因】
AGEは糖質が元ですので、糖質の摂り過ぎは要注意です。精製小麦(ふわふわパン)、精製糖(白糖)、米、芋など良質な糖質です。余剰な糖質はAGEの原因となります。
また、高温で焼く、揚げることで茶色に変色する(褐変反応=メイラード反応)ほど、AGEは増え、その食品はAGEを多く含むことが分かっています。つまり、ホットケーキの茶色、焼肉の茶色、エビフライの茶色、チップスの茶色など全てAGE豊富な料理であり、その摂取は自ずと体内のAGEを増やしているのです。
【AGEを減らす方法】
では、どうしたら老化促進物質のAGEを減らすことができるのか?
まず、糖質の過剰摂取は避ける。しかし摂取した糖質は有効に利用することが重要。つまり運動ですね。
食事後20~30分後に歩くなど。糖質は筋肉で消費されますから、筋肉量の多い大腿四頭筋を燃焼場所として使う(=歩行)は有効です。食後30分位に30分程度歩く。また、糖質の血中濃度を上げないのも有効。つまり、食べる順番があるということ。
まず、野菜・海藻類の繊維性食品-次に、タンパク質-最期にご飯など糖質。この順番で頂くと、糖質の吸収が繊維質や蛋白質で阻害され、同じ食事でも過剰に血糖が上がりません。つまりAGEを増やさない食事法と言えます。そして、これを継続することが重要。
それが、老け子(老け夫)と若子(若夫)の違いだったんですね~・
【アンチAGE対策】
ところで、先の2つの食事。貴方はどちらがAGEが豊富と思いますか?
そうですね、圧倒的Bです。一方Aは、糖質の吸収を抑制するので、アンチAGE食品と言えますね。特に苺(ベリー類)やブロッコリーが良い様です。また、α―リポ酸もアンチAGE効果が高く、ブロッコリー、カリフラワー、ほうれん草、トマトに多く含まれると言います。(図1:山岸昌一教授著書P96)。
詰まるところ、野菜中心の食事(食事A)で適量な蛋白質(魚・肉)と適量の糖質を、この順番で食べ、その後(約20~30分後)に適度な運動(最低1日30分程度の歩行)をすることが重要。食材は、真っ白と茶色は注意。(真っ白=精製糖、精製小麦など。茶色=メイラード反応=焦げ目=焼く、揚げるは注意。煮る、生がベター)という事ですね。
これが、老けない健康法の基礎と言えそうです。
現在、あなたのAGEを測定する機械があります。まずは、それを測定して、如何に体が焦げているか?若子か老け子かをお確かめくださいね。(フナクリに設置してあります)
【食事は命を頂く事】
冒頭の私の食事に戻りますが・・Bも旨いんですね。(私の場合ですが・・・)
Aは脳と遺伝子に効き(精神的満足度)、Bは欲に効くのかもしれません(満腹度)。しかし、断食後は、Aが十分満足するし満腹になる。実は、食材より食べる側の状態(空腹度)が大きかったんですね。でも、これは断食しないとなかなか気がつけません。
最期にとても重要なこととして、食材には罪はありません。AGEという摂る側の価値観だけで、どちらが良い悪いと評価しますが、本来、食材はいずれも命を賭していますので、感謝して頂く心はいつも大切にしたいですね。食べられる物の身になって、食事を頂くということ。
なので、私はBを頂いたあとに合掌して、「ご馳走様でした」とお礼を申し述べるようにしております。
過日、血管年齢測定したら41~45歳!(暦年齢は54歳)だったんで、しめしめと思ったんですが・・下のAGE測定器で測定したら、何と59歳だったんですね。ショック!
血管年齢とは、ちょっと違うようです。
食後の合掌だけでは、アンチAGE効果は無かったようです。やはり、祈りも実践を伴わないと有効ではないようですね・・。
よし、今後は食材、食事量、食事時間、食事順、運動で、一気に(ぼちぼち?)アンチAGEを図り、また、ご報告しますね。
(蓄積したAGE量は、見た目年齢と比例するようです・・それなら、測定機械はいりませんが・・)
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※ (補足)GI値って知ってますか?
【#1 GI=glycemic index】
その食品が摂取後体内で糖に変わり血糖が上昇する程度を示した数値。ブドウ糖を100とした時の数字。ただし、その数字は単独摂取の場合。トッピングや精製度によっては数値が上がるので注意。(下図参照。山岸昌一氏書籍 P50より)
【#2 AGE=過剰血糖値×時間】
糖尿病の方は特に持続した高血糖があるので、注意(治療)が必要です。
【#3 AGEを下げるコツ】
GI値の低い食べ物を少なめによく噛ん で時間をかけて食す。
食べるもの(食品)は、GI値の少ないものを心がける。特に真っ白(精製した)は注意。(一気に血糖が上昇するため)こんがり狐色(メイラード反応=褐変反応)の食品も注意。食品の茶色は焦げた色=焼く、揚げた(全て茶色)食品=AGEが豊富。AGEは食品で取ると ダイレクトに体に入る。調理法は極 力、煮る、むす、茹でる、生が良い。
つまり、和食が一番。
食べる量は、勿論少量が一番。
腹6~7分目。(感覚としては、「も う少し食べたいな」で止める)時に断食。サーチュイン遺伝子を活性化。
食べ方は、時間をかけてよく噛み、楽しく感謝して頂く。
食べる順番を考えて、繊維質(野菜、海藻類)→蛋白質(お魚、お肉)→糖質(ご飯、パンなど)の順に頂き、ちょっと休憩後(20~30分)軽い運動(30分程度)を行う。運動は、歩く程度でOKで、余剰のAGEを燃焼させる。
この食べ方と運動が最も有効なアンチAGE=「老けない生き方」の中心ですね。