ガンのReborn Projectとは(~杉浦君に続け~) 

船戸 崇史
 
  過日、平成28年5月30日に名古屋の南生協病院で「第7回のガン治っちゃったよ全員集合」というイベントがありました。
 28歳の時、悪性度高く報告例もまれな腎臓ガンを発症し、2年生存率0%といわれたという杉浦貴之君が主宰を務めるこの集会に、ガンを体験した医師として講師依頼を頂きました。
 もし皆さんが、「ガン!」「特に悪性!」「2年生存率0%!」と言われたら、どう感じられますか?
 「日本人の死因の1位はガンです。ガンとなっても大丈夫なようにガン保険に入りましょう」は極めて説得力ある保険のフレーズと言えます。家族、親族、友人知人、近隣の人でガンで亡くなった方は必ずいると言っていいほどでしょう。ですから、「ガン=お終い」「ガン=痛く辛い」という印象を持つのは当然かもしれません。
 そんな中で、「特に悪性」「2年生存率0%」はダメ押しに近い言葉ですね。貴方に未来は見えますか?2年で死ぬと言われて、10年後や20年後を想像できますか?
 そうです。杉浦君はそう言われたんです。
 が、彼は16年たった現在、極めて元気に生きています。結婚もされお子さんも見えます。壇上にたって、生き生きと歌う姿は闘病中の人に計り知れない勇気を与えてくれています。
 彼の病気や現状に対して「それは、診断が間違っていたのでしょう」「たまたま、そういう事もあるでしょう」と言う人が居ます。いずれも医師です。
 果たして最初にこの診断と余命告知した医師は、彼が助かると思っていたでしょうか?
 これは何を意味するのでしょうか。「ガン」と言われても、「極めて悪性」と言われても「2年後の生存率0%」と言われても、「治りうる」という事なのです。人間の中には、計り知れないような生きる力、治癒力が内蔵されているらしいのです。
 問題は、それをどうやって引っ張り出すか?にすぎないと言う事なんですね。
 彼は、それを「命はそんなにやわじゃない」と心底感じ、このイベントを始めたのです。
 一人でも多くの方のガンの呪縛(じゅばく)を断ち切り、生還を果たす友が増える事を願っているのです。
 この会の終了後、彼は自分のFB(フェイスブック)のスレッドに次のような感想を述べています。
 
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 今回は、「ガンを体験した医師は語る ~治す力は己の中にある~」がテーマで、腎臓ガン体験者の船戸崇史先生、脊椎のガンで2度再発を経験した坂下千瑞子先生にご登壇頂きました。
 このイベントは、特定の治療法を勧めるものではありません。また、治療しないことを勧めるものでもありません。そして、「ガン治っちゃったよ!」と表現するのは、決してふざけているわけではないのです。まず、治療中の方には「治っちゃったよ!」というイメージを作ってもらう
のが目的です。
 病を治すことではなく、治ったあとの未来の自分に焦点を合わせ、そのために今できることをする。 治療もないがしろにせず、自分らしく生き、やりたいことに夢中になっていて、気づいたら「治っちゃったよ!」という状態を目指します。
ガンと宣告されても終わりじゃない、できることはあるということを、社会に広めていきたいという目的です。
 治るにしろ、治らないにしろ、そのプロセスをどう生きるか。治ったら・・・ではなく、たとえ病の中にあってもできることはある。「ガンが治らなかったら亡くなります。でも、ガンが治ってもいずれ亡くなるんです」
と船戸先生は言われていました。
 今回は、2人のドクターのお話ということで、病との向き合い方、自己治癒力を向上させる方法を実践しつつ、結果は委ねる、お任せ~というくらいが一番いい
のではないでしょうか。
 ガン患者さんの多くは不安の中にいます。中には絶望されている方もいると思います。そんな方々に必要なのは、安心感なのだと思います。「治すぞ!!!」という情熱も必要。でも情熱だけではいずれ燃え尽きてしまいます。スイッチが入った後は、「自分は大丈夫」という安心感が必要。不安や心配の存在を小さくしてくれる安心感。どれだけその状態を保てるかが大事。

 この日のイベントでは、坂下先生が、「治る力は患者の中にある」「命の最高責任者は自分です」と言ってくれました。
医学もどんどん発達してきていると伝えてくれました。
 船戸先生はガンが治る仕組みを説いてくれて、「人は治るようになっている」と言ってくれました。
どれだけの安心が生まれたことでしょう。そして、どれだけ希望の灯がともったことでしょう。
 支えてくれる家族、仲間がいることの安心感。
同じ病と向き合う仲間がいるという連帯感、安心感。絶望的な状況の中から復活したガンサバイバーの存在により、自分にも治る可能性があるんだという希望、安心感。治っても、治らなくても、いつか人は旅立つんだという(皆同じと言う)安心感。自分は自分で大丈夫。自分だからこそこの人生を生きられるんだという安心感。
 フィナーレでの参加者さんによる決意表明では、「治すぞ!」という強い思いより、もっと穏やかで、安心に満ちていて、それでいて覚悟のある宣言だったように思います。決意表明をした本人よりも、周りで見守る方々が涙を流していました。「大丈夫!」と伝えあう空間は愛にあふれていましたね。
 イベントが終了し、帰っていかれる皆さんのお顔は、やる気に満ちた顔というより、何か清々しい表情に見えました。「大丈夫!」これが本当の希望なのかもしれませんね。こんな素敵で温かい空間を作ってくれた皆さん、スタッフの皆さん、出演者の皆さん、本当にありがとうございました! 
   (原文からは一部改変しました)


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  この文章は、杉浦君が医師が言う通り2年生存率0%だとしたら、現存しえません。それどころか既に16年の歳月が経っても極めて元気な彼なのです。
 この文章には、ガンで2年持たないと言われてもそれを乗り超えるコツが書かれているのです。
 現在闘病中のあなたも、参考になる生き方のコツがあります。
 私独断でその内容を抜き出し解説を試みました。(文中の①~⑩です。)
 

【 ① 治った後のイメージを作る 】
 
  これはとても重要です。誰もが治りたいのですが、「ガンになったらお終い」「どうせ自分は治らない」、この思いが信念に近い場合はなかなか治るのは困難です。治る可能性の入る余地がないからです。杉浦君のように「ガン」「極めて悪性」「2年は生きられない」と言われれば「もうお終い」と思っても不思議ではありません。しかし、彼は16年後の今、生き生きと生きています。これが事実なのです。まず、これをイメージして下さい。
  


【 ② 病を治すことではなく、治った後の未来の自分に焦点を合わせ、そのために今できることをする。 治療もないがしろにせず、自分らしく生き、やりたいことに夢中になる 】

  私たちは病が重症になればなるほど、治すことに躍起になりがちです。その気持ちは分かります。
しかし、飽くまで病気を治すのは人生の手段であり、人生の目的ではない事を思い出してください。人生の目的とは「その(・・)ため(・・)に生きる」、「その(・・)ため(・・)に生まれてきた」事です。皆さんはガン治療のために生まれてきたのでしょうか?違いますね。病気を治すことは、治ってしたい事をするためです。これを彼は「治った後に焦点を合わせる」と表現しています。
 治療をないがしろにしないと言うのは、西洋医学的治療を、風評やイメージだけで拒絶しない注意が必要です。実は多くの奇蹟的治癒をしている人たちは、西洋医学的治療も受けています。ただ、それだけでは治りません。
 もっとも重要な点は「自分らしく生き、遣りたい事に夢中になる」ことです。まさにこれこそ、人生の目的です。その為に生まれてきたのです。「夢中になる」という表現は余念を挟まない、フッと湧いてくるであろう不安も入り込めません。

 杉浦君は、28歳で厳しい宣告を受け、しかし、「自分はガンになるために生まれたんじゃない、ガンを治すために生きている訳でもない・・このまま死ぬのは嫌だ」と思いました。当時入院中の病棟に回診に来る若いナースをみて、性的(本能的)にも刺激を受けたと言います。性欲は生きる力です。彼はそれを闘病のエネルギーに変えていったと言うのです(彼はそれをビンビンパワーと表現します)。そして、治った後にホノルルマラソンを走りたい、いや走るために治すんだ!と誓ったと言います。これがガンが治った後の具体的ビジョンです。
 そして今、彼はホノルルを同じく病気に負けず生きようとする同志と共に走っています。夢を実現しているのです。
  


【 ③ 「ガンが治らなかったら亡くなります。でも、ガンが治ってもいずれ亡くなります」 】
 
 これも重要な真実です。私たちは「生きる人」と「死ぬ人」という分け方をします。
しかし私たちはすべからく死に逝く存在です。人は生まれた瞬間から生きる時間は全て余生です。ガンが在ろうがなかろうがです。つまりあるのは死への順番だけです。
 最近、80歳男性で、20年前にガンを患い手術して治ったと言う方が、脳梗塞で寝たきりとなられ、オムツが付きました。この方がぼそっと言われました。「ガンの時に死んでおけば良かった・・」いつ死ねるか分からないその時までこの男性は、日々オムツを交換してもらい、同じ天井を一日中見続ける毎日は、ガンで死ぬ事よりも辛いかもしれません。
 


【 ④ 自己治癒力を向上させる方法を実践しつつ、結果は委ねる 
 
   これは、スピンドリフトの祈りの法則(右図参照)です。
 祈りは実現します。そして、祈る方法があるのです。祈る対象を明確して、祈った結果は任せるというものです。誰に任せ委ねるのか?それは、神でもサムシンググレートでも運命でも良いです。
 重要な事は対象は明確に、結果は手放すと言う事です。例えば、「病気が治りますように」とは神頼みの常套句でしょう。しかし、「治りますように」ではなく「私にとって最も善き方向へお導き下さい」です。スピンドリフトによると、結果を委ねた祈り方の方が効果は2倍ある、とのことです。





【 ⑤ 不安や心配の存在を小さくしてくれる安心感。どれだけその状態を保てるかが大事。 】
 
 私が思うにこの「不安」こそが最もガンが治る過程の「抵抗勢力」です。
基本的に不安や心配は実態がありません。脳内の妄想です。不安や心配がある場合は、それを無くそうと思えば思うほど反対に大きくなります。不安を消したい時は不安を思わない努力をするのではなく、他事(ほかごと)を思う、特に楽しい事をイメージする事です。脳の容量は有限であるために、不安はこの楽しいイメージに追いやられ徐々に縮小します。ですから、最近あった、最も楽しかった、笑えたイベントを意識的に思い出すのです。
 この不安を煽るものがあります。それは痛みと疲れです。適切な内服を行い、同時に腹式呼吸を行いましょう。面白いテレビや、楽しい音楽、没頭できる芸術や趣味、アロマの香りやマッサージなどもリラックスホルモンが分泌され、副交感神経が活性化し、免疫が活性化し不安も消えてゆきます。



【 ⑥ 「治る力は患者の中にある」「命の最高責任者は自分です」 】
 
 仏教用語に「因縁果報」という言葉があります。全ての出来事はこの法則から逃れる事はできません。ガンも同じです。あなたに出現したガンは誰も代わることができません。あなたの命はあなたのものなのです。
 ところが、厳しい病状になればなるほど、それを治す薬、医療手段、医療者、医療機関、サプリや祈祷師まで色々な手段を探し求めます。これらは全てが「()」です。
 勿論「縁」は重要です。しかし、因にはなれないのです。その意味では「全て先生にお任せします」という言葉には注意が必要です。実は責任の放棄である場合があるからです。自分の生きる責任の全ては自分にあり、努力により「因」を改善すべきなのです。



【 ⑦ 人には「がんは治る」仕組みがある、「人は治るようになっている」 】

 私が思いますに、闘病において最も重要な信念は「人は治るようになっている」です。
それを「自然治癒力」と言います。同時に「ガンにならない人はいない」という鉄則もあります。
 矛盾しているようですが、そうではありません。
 人はガンになる。しかし、治るようになっているのです。ですから、ガンを治す仕組みを邪魔するとガンが残ってしまうのです。これは私が再三今までの通信でも「ガンを治す仕組み」として書いてきましたので、そちらを参考にしてください。(通信101号を参照)
 私達はガンを治そうとしなくても良いのです。免疫力を活性化する生活(免疫生活)をすることで、おのずとガンは消えるようになっていると言う事です。



【 ⑧ 支えてくれる家族、仲間がいる 】
 
 これは重要です。ガン患者は基本的に責任感が強く我慢強く頑固である事が多いです。つまり「任せる」事が苦手なんです。「迷惑を掛ける」ことが嫌だからです。勿論、迷惑を掛けて良いわけではありません。実はガン患者は往々にして家族にはこれ以上迷惑を掛けたくないと申されますが、ご本人が思っているよりご家族は何とか力になろうと思っています。「迷惑を掛けたくない」と言う人のご家族ほど、その傾向が大きいです。(逆に家族に看てもらって当然・・という人ほど、家族はそっけない場合が多いですね)
 ですから、因は勿論あなた自身ですが、縁としてのご家族ほど強力なサポーターはいないと言う認識は重要です。一人で悩まない事が重要です。



【 ⑨ 絶望的な状況の中から復活したガンサバイバーの存在により、自分にも治る可能性があるんだという希望、安心感。 】

 まさに杉浦君自身ですね。当日の集会には数百名の参加者があり、沢山のガンサバイバーが結集されていました。こうした方々自身が生き方の転換を遂げ、結果的にガンを大きくしない生き方をされている人々です。
 私自身もガン患者ですが、もっと進行し再発転移からの生還者が居られるこの場では「ガンと言うには100年早い」と言われかねないムードでした。(いわん)やガンではない人は恐れ多くては入れない雰囲気すらあったかもしれません。それくらい、ガンを普通モードで語れる、しっかりガンの声を聴いて、生き方を転換し、生き生きと自分らしく生きている人たちが思いのほか多いと言う現実には驚かされます。
 そして、不思議にもガンサバイバーの様に苦しみを乗り越えられた方の笑顔は、以前よりまして素敵なのです。



【 ⑩ 自分は自分で大丈夫。自分だからこそこの人生を生きられる 】

 掛け替えのない自分を意識する。生まれ変わって、自分ではない誰か他のスーパーマンになるのではなく、本来で本当の自分でいつづける事に努めれば、身体はおのずと自然治癒力があふれ始める。音叉の共鳴現象のように、本来で本当の貴方ならではの周波数が響き渡ります。
 さあ、静かに音を鳴らしてみましょう。これが新しい自分の生き始めだと思うのです。
 本当で本来のあるべき自分の姿のイメージが出来たら、生きると言うアクセルを少しずつ踏んでゆく。不安や雑念(恨み、ひがみ、妬み、傲慢、欺瞞、愚痴、怠惰・・)など自分の弱さは、ジャッジが得意な左脳で気が付きますが黙認する。
  こうして新しい自分を始めてみる。生き直してみる。
  第2の杉浦君になれるかもしれないのです。



 さあ如何でしょうか?
 先にも書きましたが、これらの気づきは、一人の根治困難なガン患者から頂きました。間違いなく杉浦君も大きな不安や恐怖におののき、時にはやっぱり駄目じゃないか・・とすら思ったこともあったと思うのです。
 しかし、彼は自らの生きる信念を強める事で「今」を手にすることが出来たのです。
 ここで、重要な信念の在り方についてお話ししましょう。
 「信念の限界が現実の限界」であると言う事です。
 「治るはずない」とか「もうお終い」と信じている人に「治癒はおとずれない」という事です。治りうる可能性や行動を一切否定するため、治りようがないのです。可能性が少なくとも、宝くじを「当たるはずがない」と買わない人は、当たりようがないのです。「治りうる」と思った人だけ(宝くじを買った人だけ)可能性があると言う事です。
 しかし、病気が重ければ重いほど、転移があり、腫瘍が大きければ大きいほど、治りうると思っても不安になるものです。「やっぱりダメじゃないか・・?」と思いがちです。
 そんな時に必要な事は、まず動く事です。とにかく何かを始めてみるのです。そうです、動く事が重要なのです。そもそも「運」を「動かす」と書いて「運動」と言うくらいです。自分の運命を動かしたいなら、まずあなた自身が動けばよい(運動する)のです。すると運勢が動く、すると運命が動く。
 では、どう動けばいのでしょうか?
    
① 安心できる人(癌が癒えた先人)に会う        
② 安心出来る話(先人の生き方)を聞く
③ 安心の生活(免疫生活)を送る   
④ 直観に従い選ぶ(心は全てを知っている)
⑤ 不安を愛で包む(言葉がけは「大丈夫」)

 上の①~⑤をなぞるのです。加えて、ⅰ)~ⅶ)の免疫生活を実践するとなると、正直申し上げてかなり忙しくなると思います。(ⅰ~ⅶは過去の通信101号+102号を参照)
 さあ、あなたの中にはどんな信念が渦巻いていましたか?それこそが影の支配者です。しかし、意識的にその支配者を排除しようとは思わなくてよいのです。
 まず、安心できる人に会い、「ガンはどんなに進行していても、治癒した人が居るんだ」と知って頂く事が重要。できれば、沢山の治ちゃったと言う人に挟まれるほど元気になります。次にそうした人の話を聞く事です。出来たら一人一人から丁寧に、きっと誰もが思った「だめかもしれない」というところからどうやって立ち直っていったのか、それぞれに奇蹟のシナリオがあるでしょう。それを自分流に辿ってみる。きっとそうした人たちは結果的に免疫力を活性化する生活、ガンを予防しガン細胞を排除する生活を結果的にしていたに違いありません。そもそも私たちは治る様になっていますから、その邪魔を出来るだけ取り除く生き方の実践。それが、ⅰ)睡眠、ⅱ)食事、ⅲ)運動、ⅳ)加温、ⅴ)家族団らん、ⅵ)祈り、座禅、瞑想など具体的な新しい生き方の提案になるはずです。しかし、それでも生じる種々の選択には「直観」を大事に選択する。それでも生じる不安は「大丈夫」と言って愛で包む。
 すると、きっと新しく本来で本当の貴方自身が誕生すると思うのです。
 これこそ、ガンのReborn Project!です。
 



 安心の場所、安心の人達、安心の生き方・・・現在まさにこうした免疫活性化を体験できる
保養施設(ホテル、リトリート)を山紫水明の我が実家である関市洞戸に建設予定です。
 数年内に完成予定です。
 今後詳細は順次この通信を通して報告してゆきますね。