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 洞戸 Big(ビッグ) Reborn(リボーン) Project(プロジェクト)
               (BRP)
                                                      船戸クリニック 船戸崇史

                                                   

洞戸 Big(ビッグ) Reborn(リボーン) Project(プロジェクト)(BRP)とは?(その1)

 今、ひそかに願いを込めた創造をしています。夢を現実へ。そうです、想像を創造へ。
 私の故郷である、岐阜県関市洞戸に、「病気を通して生き方を変えたい人のための施設」
リトリートを建設する事にしました。そして「生まれ変わる」のです。
 多くの病気は、今までの生き方ゆえに登場しました。病気は貴方にただ一言「変わりなさい」と言っていただけなのです。たとえそれが、進行した癌であってもです。
 今回から、なぜそのような施設を創りたいのか?それは一体どんな施設なのか?そこでは何が行われるのか?について、少しづつ皆様に公開してゆこうと思います。 
 完成は2018年1月23日の予定です。どうぞ、お楽しみにしていてくださいね。
 
 【癌との出会い】
  私は57年前に武儀郡洞戸村(現関市)に故船戸行雄(当時、県議会議員)の2男として生をうけました。幼少期の記憶は、楽しく豊かなもので殆ど山紫水明の大自然の中で遊ばせて頂いたものばかりです。それが今回の保養施設の建設場所として洞戸を選んだ背景にあります。
 今から33年前に医師となり、消化器外科の道に入りました。当初はただ憧れであった外科の選択でしたが、その後消化器外科ゆえに「癌」と出会う事になりました。胃癌、大腸癌、膵臓癌、肝臓癌、乳癌、食道癌などとの出会いは、「切る事が治す事」という分かりやすい外科学の示す通り、私は手術手技に専念しました。
 そして10年以上メスを持って到達した想いは、「癌には私のメスでは克てない」という想いでした。癌は「理由」があって出現した生活習慣病であり、メスで癌は切り取れても、癌の原因までは摂り切れなかったのです。(外科を否定しているのではありません)
 (私の)メスが人を救っているのではないという思いは、いよいよ外科医として生きる道に疑問を抱かせました。しかし、外科しかできない私に何が出来るのか?と考えるようになりました。この頃、病棟には私が手術し再発し末期を迎えた患者さんが常時数名見えました。この人達は一様に最後になると「自宅へ帰りたい」と申されるようになりました。
 せめてこの想いに応えたい。当時病院の医師が往診へは出られませんでした。それならば、自分が開業し最期家で死にたい人のサポートをしようと思ったのです。
 そして、今から22年前に養老で開業しました。(美濃市から関市付近で開業したかったのですが、当時バブル前の土地神話絶頂期で、なかなか土地を貸与して下さる方が見えず、最終的に義父(妻の父)が養老に持っている土地を貸して下さったからでした。)
 開業時の理念は「自分の家で自分らしく生き、自分らしく死んでゆくことをサポートする医療」でした。これを目指して地域医療、在宅医療に力を入れてきました。その結果、この22年で1000名を越える方々を看取らせて頂きました。
 医師になってからの病院勤務医時代の看取らせて頂いた方も含め、私が最期に係らせて頂いた方々から沢山「生き方の知恵」を教えて頂けました。
 その最たる物が、「癌は忌むべきものではなく、その人に生き方の転換を訴えている」のではないか?という捉え方でした。
 考えてみれば、医師になって以来、いや医学部在籍中から、「死因の1位が癌。癌を克服する事が医学の目的」と学んできました。これは「死は医学の敗北」という教えでもありました。きっとそのおかげで多くの癌治療は今なお発展し、治癒率や生存率も徐々に上がっているのでしょう。しかし、30年以上医師を経験すると、同時にもう一つの事実にも気が付きました。
 それが「人は癌が治らなければ死ぬ。しかし、癌が治ってもいずれ死ぬ」という事実でした。「死」は「医学の敗北」の結果ではなく、「人の宿命」だったのです。
 
 【癌の意味?本来で本当の自分へ】
 そして、沢山の癌患者さんと接する中で不思議な言葉も耳にするようになりました。西洋医学的に「癌」は「忌むべき対象」であり「避けるべき事態」、「災難」「困苦」の代表です。  
 しかし、それにもかかわらず、その癌に対して「癌のお蔭」という癌に対する感謝の言葉が聴かれるのです。そして、この言葉は思いのほか多くの人から聴かれました。
 そこで私は思い切って疾病利得(病気から得られた利益)として癌患者さんにアンケートを取りました。
 すると、癌への感謝だけではなく、癌を患う前より癌になった後の方の人生を高く評価する人が多い事が分かりました。
 一言で言えば、癌は「死ね」とは言っていない、それどころか「今迄の生き方を転換しなさい」と訴えていただけなのです。(癌に限らず、全ての病気も同じです)
 今まで、絶対やめられないタバコ、お酒、悪しき習慣も「癌」という病名を告げると多くの方が訂正されました。間違いなく、「癌」は悪しき習慣へのストッパ―だったのです。癌は忌むべき対象どころか、今の生き方への究極のアラームであると思えるようになりました。そうです、身体の側からすれば、魂の恩人のような存在です。加えて癌は死因の1位で「死」をも覚悟しなくてはならない病名ゆえに「生き方の転換」も真剣で命がけです。
 さて癌の入院治療が一段落し、いよいよ自宅への帰宅が許されました。
 しかし、現代医学では、ややもすると「悪い箇所は切り取りました。これからはもう自由です」と言われかねません。とんでもない間違いです。その結果癌が出来たのです。癌は「生き方を変えろ」と言っているのです。  ・・・・しかし、どう変えていいのか?
 生き方を変えると言ってもそう簡単ではありません。何故なら「生き方」とは「生活習慣」だからです。その習慣を転換するには、外来のひと時の言葉で足る場合もありますが、多くは、新しい生活習慣を始める必要があるのです。そして、生まれ変わるのです。本来で本当の自分へ。・・・その為のリトリートが必要だと思うようになったのです。
  (ではそれはどんな施設なのでしょうか?・・次回ご紹介しましょう!)




洞戸 Big(ビッグ) Reborn(リボーン) Project(プロジェクト)(BRP)とは?(その2)

 【その1のまとめ】
 私の故郷である、岐阜県関市洞戸に、「病気を通して生き方を変えたい人のための施設」リトリートを建設する事にしました。そして「生まれ変わる(Reborn)」のです。
 その施設の名は「リボーン洞戸(Reborn HORADO)」そのものズバリの名称です。
 多くの病気は、今までの生き方ゆえに登場しました。病気は貴方にただ一言「変わりなさい」と言っていただけなのです。たとえそれが、進行した癌であってもです。
 今回から、なぜそのような施設を創りたいのか?それは一体どんな施設なのか?そこでは何が行われるのか?について、少しづつ皆様に公開してゆこうと思います。 
 2018年1月23日OPEN予定です。どうぞ、お楽しみにしていてくださいね。
 
 【癌とは何か
 私は洞戸(現関市)の出身です。今から33年前に医師となり、消化器外科の道に入りました。当初はただ憧れであった外科の選択でしたが、その後消化器外科ゆえに「癌」と出会う事になりました。そして「癌」が私の生涯のライフワークとなったのです。当初は「切る事が治す事」という分かりやすい外科学を学び手術手技に専念しました。そして10年以上メスを持って到達した想いは、「癌には私のメスでは克てない」という思いでした。癌は「理由」があって出現した生活習慣病であり、メスで癌は切り取れても、癌の原因までは摂り切れなかったのです。(外科を否定しているのではありません)
 入院した末期の癌患者さんは「最期は自宅へ帰りたい」と申されました。それで、今から23年前に勤務医を辞め、妻の父が所有されていたここ養老で開業しました。
 開業時の理念は「自分の家で自分らしく生き、自分らしく死んでゆくことをサポートする医療」でした。これを目指して地域医療、在宅医療に力を入れてきました。その結果、この22年で1000名を越える方々を看取らせて頂きました。こうした方々の逝き方から沢山「生き方の知恵」を教えて頂けました。
 その最たる物が、「癌は忌むべきものではなく、その人に生き方の転換を訴えている」のではないか?という捉え方でした。  ・・・・しかし、どう変えていいのか?
 生き方を変えると言ってもそう簡単ではありません。何故なら「生き方」とは「生活習慣」だからです。その習慣を転換するには、外来の短時間の診療では難しく「新しい生活習慣」を共に過ごす必要があると思うに至ったのです。
 そうです・・・その為のリトリートが必要だと言う事です。
 この施設を利用される方には条件が必要です。それは、自らの癌体験を通し、「自分自身が変わりたいと願う人」と言う事です。しかし、変わると言っても自分ではない全く別の理想的(スーパー)人間(マン)になるのではありません。本来で本当の自分です。言い方を替えれば、「そのために生まれてきた」と言える自分に(もど)るのです。
 こうした想いが結晶化し、先に施設の理念が、次に名称が生まれました。

<理念> 私たちは 「Reborn したい人」 が 「Reborn できる場」 を提供します
<施設名称> 
リボーン洞戸(Reborn HORADO) 
 理念が決まると、このプロジェクトへの想いが湧いてきたのです。

 【あらためて、HBRP(洞戸Big Reborn Projectとは?】
 今、時代は大きく変革の時を迎えています。新しい時代となり新しい人の誕生が待たれていると思います。?
 洞戸ビッグリボーンプロジェクトとは、まさに癌と言う病気を体験したからこそ(一度は真剣に自分の死を見つめたからこそ)、なぜこの時代に生まれてきたか、本当は何をしたいのかという、本来で本当の自分に気が付ける事を目標とした施設です。私はそれをBig(ビッグ) Reborn(リボーン)と表現しました。Rebornとは「生まれ変わり」「新生」「復活」を言います。しかし重要なことは、自分ではない違う自分になる事ではありません。「本来の自分」=「ありのままの自分」=「そのために生まれてきた自分」になる事を言います。従来の古い生き方の自分を顧みて(時には捨て、時には温め)新たに大きく(Big)脱皮(Reborn)をすることを言います。
 私たちは通常に毎日、小さな気づきや感動、ショックを通して小さな変化(生まれ変わり、新生)はしています。(これをMini reborn(ミニリボーン)ということにしました)しかし、それだけでは時代の要請にはついてゆけません。確かに、ビッグリボーンのためには、重なる沢山のミニリボーンの蓄積が必要かもしれません。しかし、最後の最期、卵が殻を割る時に、親鳥が殻を同時につついてサポートする行動があるように、出来たら、私たちが「自己の殻を壊す」サポーターになって新しく本来の自分へ生まれ変わるお手伝いが出来たらいいなと思うのです。
 その為には、「場」が重要です。「場」とは、「環境」と「人」です。
 人とは、言うまでなくお世話させて頂くスタッフです。スタッフ自身もRebornを願う人達であらねばなりません。勿論私もです。私は「船戸」姓に生まれました。船戸とは、Wikipediaによると「衝立(つきたつ)船戸(ふなど)の神:黄泉(よみ)から帰ってきた伊邪那岐(いざなぎ)の神が、身に付けていたものを投げ捨てて(みそぎ)をする際に、捨てた杖から生まれたとされる神のこと。災害など、(わざわい)を防ぐとされる」と表記されており、つまりは「結界」らしいのです。結界とは扉を意味し、開けば渡し口でもありますが、閉じれば中を守ります。これが役割の様です。
 「環境」とは、洞戸の地です。Rebornするためには美しい水、美しい空気ある大自然が必要です。なぜなら大自然の姿そのものが、自然=「ありのまま」を体現しており、これこそ本来(あり)本当(まま)になりたい自分と共鳴(シンクロ)しサポートしてくれるからです。
 洞戸(ほらど)(Horado)はHoly(ほら) doo()rとして出発点でもあり我々のめざすゴールでもあるのです。
 
 (では、何をするのか?という具体的な内容を次回からご紹介しましょうね)・・続く



 HBRP(洞戸 Big Reborn Project)とは(その3)

 理念) 「がん」をとおしてRebornしたい人がReborn出来る場を提供します
 名称) リボーン洞戸(REBORN holy door)

 【リボーン洞戸とは】
 この施設はがんの体験をとおして「自らの生き方を変えたい」と願う人のためのリトリート施設です多くのがんは、突然現れるものではなく、今までの生き方ゆえに登場するもの。がんはあなたに「変わりなさい」というメッセージを伝えているだけなのです。本来で本当のありのままの自分。「そのために生まれてきた」と思える自分に戻れる場所。その為には、生き方、生活習慣を変える事が大切です。美しい水や空気、山々に囲まれた大自然の中で新しい生活習慣を身に着ける。そして、本来で本当のありのままの自分も生まれ変わる(Rebornすなわち新生、復活)その為の場がリボーン洞戸(REBORN holy door)です。

 【がんの言い分とは?】
 さて、今回からこの施設で「何をするか」を順次お話しいたしましょう。
 何をするかをお話しするために特に重要な事は「がんになる理由とその仕組みがある」事を理解する事の重要性です。
 今日はその中でも、「がんになる理由」つまりは「がんの言い分」についてお話しいたしましょう。がんは言いたい事があって登場しました。その言い分をよく聞き、その言い分に従って生き方を訂正すれば、がんは消えるしかありません。

 【がんのアンケート調査より】
 当院のリボーン外来を受診された128名(種々がんStageⅢ~Ⅳが80%)への「がんになって悪いことばかりではなく、がんから教えられた良い事(疾病利得)もあるのではないか?」
 これは同時に「がんの言い分」とも言えます。それは何ですか?という質問への回答です。
 回答率は44名(34%)でした。
がんになって良かったこと
・人の温かさにより感謝できるようになった
・足りないものより足る事に感謝できるようになった
・生活習慣を見直し、休みなさいと言っている
・自分を大切にしなさい。良くやったと褒めなさいと
 言っている
・毎日が大切、常に希望を持ち広い視野で見なさい
・義務感を捨て、辛い人に寄り添おうと思うようになった
・がんは自分の生き方を訂正しなさいと言う
 メッセンジャー
・もっと生きようと思った。以前より前向きになった
・食生活をみなおすようになった
・今一度人生を考え直しなさい
・希望をもって1日1日を大事にする事

・人生を再確認し、禁酒、禁煙した
・自分と真剣に向き合えた。家族との絆が深まった
・全てをポジテイブに受け止められる。かけがえのない
 自分を再確認した
・生活が規則正しくなり家族の絆が深まった
・価値観が変わり時間が大切になった
・自分を受け入れ他人にOPENになった
・人生を見直し食事を見直しなさい
・もっとやりたいことをしなさい。奥様に死に様を見せる事
・一番大切なのは自分。家族の人生も大事
・感謝をもってワクワクしながら生きなさい
・何者でもない自分でも価値ある事が分かった
・家族と一緒にいる幸せの実感。病気の経験と出会えた
 人に感謝
・自分の最期を考えるようになった


 これをまとめると下記のようになります。このアンケートでは「良くなかったこと」も同時に聴きました。するとアンケートでは、良いばかりではなく下図右の如く「辛さ」も言われました。しかし、こうした辛さは誰でもあったのではないでしょうか?つまり、右から左へと心情の変容があったと私は推測します。
 そして、とても重要な事は、私たちはがんを「死にたくない」から「治そう」としますが、
がんは一言も「死ね」とも「治してみろ」とも言っていないのです。それどころか、がんは「生活習慣を見直し前向きに感謝してワクワクしながら希望を持って生きなさい。そして自分を大切にして家族との絆も大切にしなさい」とまで言っているのです。
そうです、がんは「今の貴方はそう生きていないよ」とだけ言いたいのではないでしょうか?
がんの言い分は一つ。「生き方を変えなさい」と言っているだけなのです。 
 如何でしょうか?がんは本当に敵なのでしょうか?
 ちょっと、がんの身になって考えてみて下さい。もし、検診やドックの甚だしい現代日本では、出現すればすぐ見つかる可能性が高い。もし見つかれば、すぐメス(手術)と言うドスで脅され、抗がん剤と言う薬(毒)を盛られ、放射線と言う殺人光線で焼かれます。それにも拘らず、がんは登場してくれました。恰も、銃弾降りしきる敵地を丸腰で走るかの如くです。そして、出現したがんはあなたに「今の生き方では本来で本当の貴方を生きれていないよ」「だから変わって」とだけ言うのです。「死ね」とも「治してみろ」とも言っていないのです。何という事でしょうか!そうとも知らず、あなたは今までの生き方が良いと頑なに信じ、これが自分だ、これが幸せだと錯覚し今までの自分を継続する(従来の生活習慣を守る)ために、がんを悪者と決めつけ「抹消(手術、抗がん剤、放射線)」しようとしてきたのではないでしょうか?
 もう一度聞きますね。そんながんを貴方は本当に敵だと言えますか?
 私には愛すら感じられます。がんはもはや「家族のような存在」なのかもしれないのです。
これががんの言い分です。そして、あるプロセスを持って出現するのです。
 
 さて次回HBRP(その4)では、「がんが出来る仕組みを理解する」です。



HBRP(洞戸 Big Reborn Project)とは(その4)

  理念) 「がん」をとおしてRebornしたい人がReborn出来る場を提供します
  名称) リボーン洞戸(REBORN holy door)

 【リボーン洞戸とは】
 この施設はがんの体験とおして「自らの生き方を変えたい」と願う人のためのリトリート施設です。多くのがんは、突然現れるものではなく、今までの生き方ゆえに登場するもの。がんはあなたに「変わりなさい」というメッセージを伝えているだけなのです。本来で本当のありのままの自分。「そのために生まれてきた」と思える自分に戻れる場所。その為には、生き方、生活習慣を変える事が大切です。美しい水や空気、山々に囲まれた大自然の中で新しい生活習慣を身に着ける。そして、本来で本当でありのままの自分も生まれ変わる(Rebornすなわち新生、復活)その為の場がリボーン洞戸(REBORN holy door)です。
 
 【がんの言い分⇒がんとは何か?】
 前回の第3回目では、がんを治すためには「がんになる理由」=「がんの言い分」をよく聞く事が重要であると書きました。そして、がんの言い分とは「変わりなさい」とだけ言っており、実はがんは一言も「治してみろ」とも「死ね」とも言っていなかったのです。それどころか、がんの立場になってみると、現代はとても怖い時代でもあります。社会的に死因の1位ともてはやされ、保険でもトップシェアの人気商品です。世界中で自分(がん)を撲滅するためのキャンペンまで張られ、早期発見のための検診やドックも盛んです。見つかればすぐ手術、放射線、抗がん剤で殺すと言う時代。自分(がん)にしてみればとても物騒で、緊張感で自己防衛するがんとしては安穏とはしておれません。そんな時代にも係らず、ただ、「今の生き方を変えなさい」とだけ言いに出現するがんは、よほど勇気と愛ある存在ではないか?とすら書きました。
 
 【がんが出来る仕組みを理解する】
 さて、今回第4回目は「がんができる仕組みを理解する」です。


 以前にも通信で紹介しましたが、この仕組みは大変重要ですので良くご承知くださいね。
 私達の身体には60兆個の正常細胞があり、通常毎秒500万個入れ替わっています。しかし、遅い人でも30秒に1個(15000万個に1個)、早い人では3秒に1個(1500万個に1個)の割合でがん細胞は発生しています。その結果、1日でがん細胞は3000~30000個にもなるのです。がん細胞を発生させていない人はいないから100 人に100人ともががん細胞を生んでいるのです。しかも、がん細胞には3つ特性があります。それは、低酸素、低体温、高血糖環境が大好きだと言う事です。過食や不眠、運動不足、冷えある生活に加えて、タバコや電磁波、添加物などは正常細胞の遺伝子を傷つけ(活性酸素による酸化・糖化)、その結果がんはますます増える事になるのです。一方、発生したがん細胞を除去する仕組みがあります。リンパ球です。NKやCTLなど、がん細胞などの変質した細胞を見つけ積極的に除去します。免疫と言います。この働きをコントロールしているのが自律神経です。副交感神経はリンパ球を増やし、交感神経は顆粒球を増やします。問題は、リンパ球はがんを抑えますが、顆粒球はがんを煽ります。よって、がん細胞を抑えようと思えば、あまり交感神経を高ぶらせず、一方で適切な副交感神経の刺激が重要であると言えます。私たちは昼間は交感神経優位に過ごしますが、夜間は副交感神経優位になります。ですから、メリハリの効いた生活で昼は元気に動き、夜はぐっすり眠るライフスタイルが重要なのです。これをピンピンコロリ(PPK)と言います。昼間ピンピンと過ごせば夜はコロっと寝れると言う事なんですね。これを続けた末に、ピンピン生きてコロッと死ねるに繋がるのです。また、自律神経はより高位では精神、心の影響もうけます。安楽な心の状態は副交感神経を優位にし反対に緊張感は交感神経を刺激します。しかし、全く緊張感なく、同時に安楽になり過ぎた人もがんになる事が分かっています。やはり心も、適切な緊張と緩和が重要なおです。心の状態もメリハリを利かせる事が重要だと言えます。



 がんになる人はこのメリハリが苦手で、このストレス社会の風を真っ向から受けて立っている人が多いです。そうです、頑張っているのです。負けない様に。その為に、仕事の為に夜も眠らず、食事も(おろそ)かに、運動もせず、お風呂もシャワーで体も冷えている。加えて、(ひる)めば負けるので、いつも心に緊張があるため笑顔が出る余裕がないのが現代社会です。だから、日本では未だにがんが増えているのです。それは、同時に日本国民の勤勉さ、真面目さだとも言えます。しかし、間違っているのです。この勤勉さ、真面目さは担保したまま(性格は変えず)、がんを予防する免疫の法則を知って、適切な睡眠、正しい食事、適度な運動、適度な加温生活そして、心に余裕を持った微笑み生活こそが、本来の人間のあるべき姿なのではないでしょうか?
 がんは100%発生します。しかし、100%治るようになっているのです。本来は。(これを自然治癒力と言います)それがなぜ50%になってしまったか(2人に1人はがんになる)。それは、以上のがん細胞を消す過程を邪魔しているからに過ぎません。それは、性格が悪いのでなく、生活が悪いのです。いやむしろ、性格が良いので、人様の為になる様にと自分の身体に無理を掛け犠牲にしているからに過ぎないのです。今日から、体の細胞に感謝しましょう。頑張り過ぎの人は体をいたわる生活をしてください。重要な事はメリハリです。
 次回から、この5つの生活習慣改善について、もう少し具体的に見て行きましょう。
 いよいよ各論です。



HBRP(洞戸 Big Reborn Project)とは(その5)

 リボーン洞戸(Reborn Holy Door)の具体的提案1
理念)私たちは、がんをとおしてRebornしたい人にReborn出来る場を提供します


 【リボーン洞戸とは】
 この施設はがんを通して「自分の生き方を変えたい」と願う人のためのリトリート施設です。私たちは、がんが出てくると「治そう」とします。「死にたくないから」当然だと思うかもしれません。しかし私の沢山のがん患者さんのアンケート調査では、がんはあなたに一言も『死ね』とも『治してみろ』とも言っていません。
がんはただ一言『変わりなさい』と言っているだけです。生き方の転換です。
 それにも関わらず、日本中いや世界中のがんセンターは「治す」事を命題にしています。
 研究も治療、予防も知能の粋を総結集しても未だ日本ではがんは増え続けています。 (図1⇒)
 なぜでしょう?
私は、その理由は、がんの本当の原因が除かれていないからだと思うのです。
  一方米国が低下傾向なのは、西洋医学的治療が日本より進んでいるからではなく、それまでのがんになる生活習慣を改めはじめた、つまり必要でないがんを造っていた生活習慣が単に是正されてきたに過ぎないのではないかと思っています。
 ここにこそがんの本当の原因はありそうです。米国では、一体何をどう変えたのでしょうか?・・一言でいえば、タバコとお酒を減らし野菜を沢山食べるようになったのです。がんは生活習慣病なのです。

がんと生活習慣・・悪しき生活習慣を止める(止悪)
 おりしもH29,6に日本医師会館で「がんと生活習慣」という講座が行われ出席してきました。最新の日本での知見を聴く事ができましたので、ご紹介いたしましょう。

【総論 】金津先生(国立がんセンター)
 がんの原因)
     ①禁煙、②飲酒、③食事(塩の摂りすぎ、脂質など)④体形(肥満、過体重)⑤感染(女性は1位)⑥運動不足 
      糖尿病、脂質異常症、高血圧などいわゆる成人病も発がんに拍車をかける   

【タバコとがん】祖父江先生(大阪大学教授)
 タバコが減ればがんは減る。タバコとがん死亡率は最も相関性が高く実証的にも証明されている事実。タバコが減ればがんは減る。禁煙を勧める事でがんは減る事が明らか・・実際に進まないのが問題である。なぜ?
国産品は60%。コンビニで手軽に入手(コンビニの売り上げの25%はタバコ)。JT(日本タバコ産業)は世界で第3位のグローバル会社。タバコには70種類以上の発がん物質。タバコはがん以外に脳卒中、血圧、認知症などにも影響。電子タバコは不明。受動喫煙での死亡は日本では年間12~13万人。タバコと所得関係あり(低学力、低所得者ほど喫煙率高い)。もっと増税を(オーストラリアは一箱1500円以上)。日本ではもっと教育充実とキャンペーンを張る必要あり。・・・

【アルコールとがん】松尾先生(愛知がんセンター)
 「酒は百薬の長・・されど万病のもと」吉田兼好(徒然草)
全がん、とくに男性では食道がん(54%)、頭頸部がん(44%)、大腸がん(32%)、 肝臓がん(11%)
        女性では食道がん(30%)、頭頸部がん(21%)、乳がん
*アルコールはなぜがんになる・・エタノール→アセトアルデヒド この物質がDNAを傷つける⇒がん化(アセトアルデヒド脱水素酵素2(ALDH2)の遺伝子多型より違いあり。)
飲酒赤くならない日本人(飲める人50%と全く飲めない人10%はがんは少ないが、赤くなっても飲む人(40%)は食道がんは2.5倍多い。また頭頸部がん、胃がんも多くなる。アルコール+喫煙や塩分やピロリ菌でより胃がんは増える。
 酒で赤くなる人が、週5日毎日2合を80歳まで続けると食道がんは20%増える。
 
【食生活とがん】永田先生(岐阜大学)
 
乳がん罹患率・・日本人は40人(10万人)フランスは100人(10万人当たり)
 乳がんの原因は環境である・・食事の要因が大きい。(コホート研究の結果)
 野菜、果物・・食道がん、胃がん、肺がんは下げる。大豆は前立腺がん、乳がんをさげる
 赤肉、加工肉・・赤肉は大腸がんを男女とも増やす。食塩は胃がん増やす。
 野菜、果物をどれだけ食べたら予防できるのか?
    野菜・・350g以上
    果物・・200g以上(リンゴなら1個、ミカンなら2個)
    肉類・・リスクを上げるので少なくする(赤肉、加工肉)
        赤肉100gにつきがん化17%上がる・・週500g超えない
 

【身体活動、体形とがん】井上先生(国立がんセンター)
BMI高い・・食道がん、大腸がん、膵がん、閉経後乳がん、腎がん、肝がん、子宮内膜がんを増やす。身体活動はした方ががんは少なくなる(結腸がん、肝がん、膵がん、腎がん・・)
肉体労働で発がん率低下。余暇運動は変化なし。乳がんは全体に下がる・肥満の人はより下がる。家事とがんの関係では、家事でも動けばがんリスクは下がる・・兎に角動けばいい。身体活動を一日60分(4km6000歩)以上。適正体重が重要。

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 まずがん治療で重要な事は、これらがんの直接原因はきっぱり止める(卒業する)ことです。左(右図)のまとめの表からも分かりますように、喫煙、アルコール、食事(食材、体形)は明らかにがんの発生率と相関しています。勿論、一切のタバコやアルコールなく、菜食で毎日運動すればがんにならないと保証しているのではありません。それでもがんになる人はいます。もしこの人ががん関連項目を無視すれば、もっと早くにがんは発生すると言う事です。
 リボーン洞戸では、滞在期間中はこうしたがん関連の生活習慣(悪しき生活習慣)が原因でがんが発生した人は、それを一定期間中止するだけで効果は出始めるものです。(本来は新しい生活習慣を3か月継続すると、遺伝子変異が起き始めます。つまりがんの遺伝子が変異しもとに戻り始めると言えると私は考えます)