がん予防滞在型リトリート 「リボーン洞戸」の使命とは 船戸 崇史 皆さん、明けましておめでとうございます。 医者になって35年を超え振り返れば、医療でいえば「がん」と共に生きた人生と言えると感じます。そしてがんとは何かが少しずつ分かってきました。がんとはあなたに生き方を転換しなさいと登場したプレゼントだったのです。そして、がんの言い分が分かるにつれて予防法も明らかになってきました。そこで「がん予防のための施設」として「リボーン洞戸」の建設に着手、この通信が発行される頃には完成しているはずです。 基本的にがんに関心のある方ならどなたでもご利用いただける施設ですが、今回の通信ではどういう方を対象としているかをもう少し具体的にご紹介いたしましょう。 開業は平成30年1月23日です。
私の中に基本的ながんになるシナリオとがんが治るシナリオがあります。 それは、雲(うん)黒斎(こくさい)さんの著書「あの世に聞いたこの世の仕組み」に語られている文章ですが、「3G⇒LTE」です。これは本当は携帯電話の通信速度規格です。3Gとは3generation「第3世代」の略でLTEとはlong term evolutionの略です。これを雲さんは、3Gを「義務、犠牲、我慢」の頭文字になぞらえました。「与えられた これをLTEへと変える。LTEとは、L:Love、T:Thanks、E:Enjoyです。 つまり、3Gの生き方からLTEの生き方へ転換するとは「我慢して頑張る頑固者の生き方から、感謝して楽しく愛ある生き方へ」と転換する時代だよと雲さんは言われました。それはがんになる生き方も全く同じだと思うようになったのです。がんは今の3Gの結果出現した。がんはLTEに生きなさいと呼びかけていたに過ぎないとは言えまいか。そしてがんの言い分を聴き、生き方が本当に転換できた時、がんは自然と消えてゆく。 そういう時代に入っているんじゃないかと思ったのです。
さて、リボーン洞戸を改めて一言で表現したらどういう施設かと言いますと、「がん予防滞在型リトリート」であると言えます。ですから、がん患者さんだけが対象ではありません。がんに関心のある方ならどなたでもご利用頂けます。 「予防」というのは、医学的には3つあります。
【 がん予防のための取り組み 】
【 がん予防対象者 】
【 がん予防のための取り組みと対象者 】 具体的な方法論は1次予防1)~6)と同じです。しかし、対象者が「がんが超早期に発見された人(患者と言えるのか?)」と言う点が異なります。 私は個人的に西洋医学を否定しておりません。それどころか、現段階では既に発生して一定の大きさになったがんは西洋医学に勝る治療法はないと思っています。切除できる状況で、取らずに治す方法を模索される方も多いですが、私は取れるなら取る事をお勧めしています。手術(一部放射線治療)に勝る補完代替医療(以下、CAM Complementary Alternative Medicine)はないと説明します。 しかし、最近の遺伝子検査などがんもまだ形が見える前に発見されるケースが出てきました。これが超早期診断ですね。基本的に現代の画像診断はCT,MRI,PET,Echoなど5mmを越えて初めて検診などで発見されます。しかし、5mmの腫瘍とは、2000万個のがん細胞の塊です(ここまで10年から15年ほどかかると言います)。個人差はあるとはいえ、この5mmの腫瘍(多くはStageⅠ以内)が10cmほどに成長し時に転移などをきたす(多くはStageⅣ)病態に進行するのは、その後数年以内と言われています。つまり、5mm以下の段階でがんを見つける事が出来れば、切除で完全に治りうるのに、もう少し様子を見ると言って、数年で進行がん、しかもStageⅣの手遅れと言われてしまう可能性が高いのです。とても残念な事です。 そこで、より早期に発見できないかと進歩した技術が遺伝子検査です。 中部では愛知医大の先制・統合医療包括センター(戦略的先制統合医療・健康強化推進学の福沢教授がセンター部長)がマーナ検査と称して遺伝子(mRNA)を解析して日本人で多い10種類のがんについて、超早期にリスク診断し、戦略的に予防すると言う画期的な診断検査方法を導入され実施中です。特に膵臓がん等、症状があって確定診断時には既に40%は手遅れ(StageⅣ)という厳しいがんでは、早期発見だけが唯一の根治法であり、愛知医大の取り組みはまさに先制医療と言えます。 問題は、現在の保険診療の枠組みでは血液検査だけではがんの確定診断にならず、基本的にがんの画像診断がされてからしか健康保険治療が認められない事です。 しかし、考えようによってはこの段階のがんの大きさなら、まさに生活習慣を改善し然るべき補完代替医療CAM(個別化医療)を行う事で対応できると言えます。私はこれこそ真の意味での「早期発見、早期治療」ではないかと思うのです。その意味で、当施設は愛知医大の福沢教授とも連携・協力し、がんの早期発見、早期治療に取り組む予定です。 【 がんの超早期発見のための検査 】 加えて、リボーンクリニック洞戸や養老の船戸クリニックでも、でき得る範囲でのがん早期発見のための検査を導入しています(以下は全て要予約です)。
まさにそれこそ「リボーン洞戸」の使命だと言えます。
これは、治療後のがんの再発予防を目的とします。よって、会社検診やドックなどでがんの診断を受け、一連の治療が行われた後の方が対象です。再発させない、そして健全に社会復帰して頂く事が目的です。 【 がん予防の取り組みと対象者 】 この対象者で一番重要な事は、タイミングです。一連の西洋医学的治療が一応終了後に退院許可が出た、そのタイミングが最も重要だと感じてきました。 昨今の手術技術の進歩(内視鏡手術など低侵襲)や医療保険事情から入院期間は短縮化されており、今後その傾向はますます進むと思われます。日本も欧米のように、胃がん手術すらデイサージェリー(1日入院のみ)になる時代も来る可能性は否定できません。重要な事は、「切って取ったから治った」事にはならないという事です。がんは切って取れますが、がんは原因があって出現しました。術後にその原因がそのままならまた出現するに決まっています。それを再発と言って慌てますが、がんはその生き方の当然の結果だったのです。 生き方に原因がある以上、取って終わりではないのです。しかし、5mmを越えたがんは、自律性を強く発揮しはじめ大きくなろうとします。ですから、一応切除して、少しでも小さくしておく必要があるのです。 ですから、これからの時代、手術が終わって退院許可が出た段階で、一度1~2週間程度の人生見直し+免疫活性化週間が実は再発予防にすごく重要ではないかと思います。 つまり、この1~2週間で、せっかくがんになったのだから、がんの言い分をよく聴き、間違った生き方に気が付き、生き方を転換する時期とする。そして新しい生活(リボーン生活)を習慣化する。それによって当事者は人生の質向上、会社からすると有能な人材逸脱防止が期待できるのではないかと思うのです。 私は、退院後1か月もすると、その生活は良くも悪くも安定期に入ると思っています。手術前の生活に戻るのか、それともがんの言い分を聴き、新しく生まれ変わった(リボーンした)自分として生きるのかの分かれ目として、退院後の1か月はとても大事な時期だと思うのです。 これも、リボーン洞戸の重要な使命だと思っています。 だれもがんなどなりたくない。だからこそ、生き方を真剣に転換しようとするのです。 突然、がんと言われ治療が一段落ついて、「帰っていいよ」と言われた、その時に思い出してくださいね。「リボーン洞戸」という選択肢を。「切って取ったから、早く帰って仕事に復帰しなくっちゃ~」とは考えてはいけません。かつては外科医の私自身がそう申してきました。「もう治ったから~~」それは今では反省しています。正直に申し上げて1~2週間のリボーン滞在で絶対がんは再発しないかと言われればそれは分かりません。しかし、がんがその心ゆえの生活習慣病であり、心が変わらなくともせめて生活習慣が変わり生き方が変われば、自然治癒力が発動してあなたは治るしかないはずです。況や、深くがんの言い分を聴いた人の中には心丸ごと変わる人もいます。残念ながらそういう経験はがんも末期の方が多かったように思います。私はそうした人こそ全人的変容であり、それをビックリボーン(Big Reborn)と言ってきました。 このBig rebornこそが最終的にリボーン洞戸が目指す場であると思っています。 これが少なくとも35年以上がんと付き合ってきた医師としての私の結論です。
そもそも予防に4次はないのですが、一考察としてお読みください。 がんの言い分は「死ね」でも「治してみろ」でもない事は通信のバックナンバーに書いてきました。がんの言い分はただ一つ「変わりなさい」だけだと。生き方の転換だと。 そして、1次予防から3次予防まで、がんの予防について述べてきましたが、私の在宅末期医療の経験から本当に人は最後の最期まで「変わりうる」事を学んできました。肉体レベルでがん発生を予防できたとしても、最後はがんで亡くなる方が多い。しかし、がんから学ばれ、がんは消えなくとも生き方を転換された人は多くおられました。その人たちは、「ガンちゃんのお蔭で・・」とまで言われたのです。命を奪うがんすら許し、その運命を受け入れて逝かれる人に、どれほど大きな強さを感じてきたでしょうか。最後の最期まで人間とは進化、深化できる存在だと感じてきました。 この姿こそ、同時に がんは生活習慣だけではなく、老化や遺伝も大きな要素を占めます。スタンフォード大学での乳がん再発要因では、生活習慣が60%ですが、遺伝要因が30%もあるのです。やはりがん家系はあるのです。しかし、がんそのものが遺伝するのではなく、がんになりやすい体質や思考方法や心の在り方(3G傾向など)が遺伝するのではないかと思います。孫子もまた先祖同様にがんになりやすい可能性を引き継ぐのではないか? がんが治らなくとも、進行がんでも、再発転移しても、諦めずに自分のどこにその原因があったかを検証し、最期まで生き方を転換しようとする姿は同時に、孫子のがん遺伝子を抑制するのではないかと常々感じてきました。これこそ、4次予防ではないか? リボーン洞戸はそうした方のサポートもしたい。がんが再発し転移しステージ4と言われようが、人は生きがいを持って前向きに生きたいと願う人たちもどうぞリボーン洞戸をお使いいただきたいのです。 ただ、ホスピスではないので、医療依存度の高い方はここでの十分な対応はしかねます。しかし、身の回りの事が自分で出来る程度の方なら進行がんであっても、生き方を転換したいというその人の願いは大事に寄り添いたいと願っています。 リボーン洞戸は「がんをとおしてリボーンしたい人がリボーンできる場」でありたいと願って創ったからです。 どうぞ、一度お気軽にご相談くださいね。お待ちしております。 |
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