コラム

特別寄稿 「どぶがわ消滅記念」 ああ悲しいかな…私はガン細胞

船戸 崇史
私たちが子供の頃に、どれだけ自然と遊んできたでしょうか?
とりわけ魚取りには夢中になりましたね。
私などは、親から「大きくなったら、魚取って養ってくれるか?」と言われたほどでした。夢にまで見た、あのわくわくするようなときめき。今、多くのお父さん方も同じ思い出を持っておられるのではないでしょうか?そうです。気がつけば私たちは自然の中で生かされ、自然に遊んでもらってきたのですね。

当院の前にある、通称「どぶがわ」。どれだけ子供に夢とときめきを与えてくれたこでしょう。めだか、ふな、コイ、ザリガニ、うなぎ、なまず、せんぱら…。
ところが、この「どぶがわ」が、今世紀で消えることになりました。国道の拡幅工事に伴い、規定により…なのだそうです。大きなU字溝が代ってお目見えし、「綺麗に整備される」のだそうです。子供の夢が、また一つ無くなります。

私は「どぶがわ」問題は、一つの現れでしかないと思っています。地球上に生存する約2000万種の生きもの。
その全ては、この母なる地球から生まれ、育まれてきました。人間とて同じです。その地球が今、瀕死の状態になっていると、小学校5年生の教科書に書いてありました。

人類が地球の上で、もしこれ以上おごりたかぶるなら、地球からは、大きなしっぺ返しを食うにちがいない。(国語五年上、P96~109)
これが本当なら、私たちは地球にとっての癌ですね。私は外科が専門でしたから、地球を救うために、まず癌を切除しますよ。

人類がガンか否か。それを試されているのが、今、皆さんの周りの「どぶがわ」問題ではないでしょうか?ぜひ、勇気を持って、疑問の声をあげて行きましょう。そして、子供に教科書を読んでくれる大人になって行きたいです。
2000万種の兄弟や母なる地球の為に。そして、何より私達の子供と自分自身の為に。