コラム

日本ホスピス 在宅ケア研究会に参加して

星野 正仁
去る7月1日に大阪で開かれた第10回目のこの研究会において船戸院長、細川明子さんとともに参加させて頂きました。
今回は、その時感じたことを、書かせていただきます。

医療、福祉関係がこの一年間、実践してきた成果を発表するこの大会は、今年は「泣くも笑うもええやん」─大阪で考える生と死─という題がついていました。
私たちはその中の「生きがい」というジャンルのコーナーで発表してきました。


~生命の輝きを求めて~

私が触れることのできた発表は、ごくわずかですが、そのどれにも何か暖かくて光るものを感じてきました。
これはいったい何でしょうか?

生死のはざまで繰り広げられるドラマ。一見その主人公は、患者さんのように思われがちですが、実はそこにかかわるすべての人に平等に与えられている課題を解いている場面設定になっているため、ひとりひとりの人が主役であり、誰か特定の人だけが主役ということはありえないということに気がつきました。

たとえば、「治療や介護をする人」と、「~を受ける人」の間には同じテーマを解く仲間であり、上下関係などは始めから存在しないということをいろんな発表の「輝き」の中で感じていました。その輝きは、そのドラマの参加者がそれぞれの役から逃げずに真正面から立ち向かう時に輝きを増すようです。

特にそのテーマが難しければ難しいほど参加者たちは、本音でぶつかることを強いられます。 そこでは、身体、心、魂がひとつにならなければ出すことができない「光」を放つことができるのではないでしょうか。

私の感じた暖かくて明るい「輝き」の正体は、これだったように思います。
それは、何かに頼ろうとする「依存心」や、周りや自分自身に対する「甘え」から独立できたものを賞賛するような輝きでした。