コラム

今年の冬はSARSがはやるかもしれない!?

神戸東洋医療学院 中医師 邵 輝
SARSの原因とされているコロナウイルスは、風邪のウイルスで、主に呼吸器に感染します。初期は肺、のど、口、気道に影響を与え、最初かぜの症状が出ます。免疫力が落ちると悪化し、発熱、咳、呼吸不全を引き起こします。SARSにかかると免疫機能が働く上で欠かすことのできないCD4が減るために、さらに免疫力が低下します。
SARSに感染すると、肺が一面真っ白になり、肺の細胞が線維化します。そのため呼吸は完全に不能になります。非常に強烈な病気で、その潜伏期間は2週間です。このような初期症状では、インフルエンザと鑑別が困難です。今年はインフルエンザワクチンを接種しましょう。と皆さんにお伝えしているのはこのためでもあります。

中国政府の発表によりますと、漢方を治療の中心に据えている病院では死者は出ていません。
西洋医学では、抗生物質しか手段がないのに対し、漢方には抗ウイルス作用が認められるとして、現在、中国政府は漢方を推奨しています。
その中にはタンポポも含まれます。タンポポには下記の作用があります。
①抗ウイルス作用、②免疫力を高める、③清熱解毒の作用

日本においては、感染という点ではまだ被害がそれほど出でいません。しかし、いったん感染し始めるとその威力は強烈です。
予防方法は換気をよくする。免疫力を向上させる。人ごみを避ける。
というしかないのが現状です。

日本は地理的に中国や香港に近く、経済を中心にその関係は年々強まっていますので、SARSには縁がないということは決していえません。現在の状況を対岸の火事として片付けるのではなく、心に留めて予防に努めることが大切です。

中国中医薬学会がSARS対策専門家チームを組織して、清熱・解毒・補気の予防薬、漢方薬を提案しました。ワクチンではなく、体調を整え感染を防ぐ予防薬という考え方も西洋医学にはないもです。
いま漢方の効果が世界から注目されています。中医学の観点からは、肺炎の病原体が細菌だろうがウイルスだろうが、実は関係ありません。なぜなら、中医学は患者さんの咳や高熱などの症状を緩和し、免疫力を高め治していくからです。

漢方や中医学に詳しい博子医師は、「SARSは湿性の病気です。タンポポは陽気の高いものですので、SARSの予防又は、治療に効果があるものとしてお勧めいます。」と語っています。