コラム

私達の大切な宝物

もうすぐ一年生になるヨウちゃんのお母様より
私達夫婦の間には3人の息子がおります。笑うと目がみか月になる、6歳の二男の事を少しお話ししたいと思います。

私達は仕事をしておりますので、二男は生後7ヶ月から保育園でお世話になっております。一才を過ぎても歩かず、園長先生から少し遅くないかと聞かれましたが、“少し遅いだけなのにどうして”と思いました。
でも、このような不安は浮かんでは消えるような状態でした。そんな折り、親くして下さっている女医先生が二男をひざに乗せ“いい先生がいるから一度診てもらおうか”と誘ってくださり、心療内科の先生に診ていただく事になりました。

“お母さん、少し通ってみようか”とお話しされた時、その小さな不安は確かなものとして、私の心の中に根をおろしました。その帰り道、知らないうちに家路と反対方向に車を走らせた事は今だ鮮明に覚えております。

-----そして、二男に対する理解と療育が始まりました。

ひどい拘り、例えば新しい服やボタンのある服は着ない。もちろん園児服は着ません。教室にはいられない。運動会、発表会には参加できません。手におえないパニック。保育園では、園長先生をはじめ、担任の先生、タンポポ教室の先生と園全体で二男に対して一貫した療育をしていただいております。

心療内科の先生が、“この子は伸びる子だから、おさえない様にしたいなあ”とおっしゃれば無理矢理教室に居させる事はやめ、ある程度ゆとりを持った園での生活をさせてもらい、パニックになる事を最小限におさえて頂きました。

年少の夏にはめまぐるしい程、言葉が発達し、平行して生活にも落ち着きが見られる様になりました。でも、まだ集団での行動は苦手な様でした。また反面、ブロックや絵などに興味を持ち、一人でずーっと取り組んだり、ビデオや本などの物語を最初から最後まで丸暗記し、一人言をくり返すという行動も目につきました。

年中まで伸ばす療育に徹して下さり、秋の運動会、年度末のひな祭り発表会など“ママ、これはやるけどあれはやらないからね”と言いながらも参加できる様になりました。今は春の就学に向け、少しづつ集団の規則を身につける様、二男には少しきつめの指導をして下さっております。
今では教室にいられる時間も長くなり、“30分教室で座っていられるように頑張ろう”という目標に一歩づつ近づいていると確信しております。

今までお話ししました経過は、心療内科の先生、保育園の先生、そして私たち両親と家族の三者の相互の理解と、一貫した理念のもと本人の努力によって得られた結果だと思います。障害の重い軽いを問わず、障害と伝えられて、私の動揺も先生の前で隠しきれるものではありませんでした。
前にお話しした様に、私の動揺も先生の前で隠しきれるものではありませんでした。私の感情をしっかり受け止めてくださった事により、先生を信頼し、何でも相談できるようになりました。それは保育園でも同じように先生方が私の感情を受け止めてくださったので安心して子供を預けられるのだと思います。
 
一ヶ月に一度のペースで診察を受け、発達相談に乗っていただき、親や保育園への指導をしていただきます。保育園への指導は、次の日先生にお伝えします。
そこでまた時間をつくっていただき、二男への療育につき、私と保育園の先生方とお話しします。時には父親を交え、夜遅くまで話し合うこともありました。
また、保育園の担当の先生が直接心療内科の先生に電話をして頂いて指導していただくという様に、医療機関、教育機関、家族がいつも同じ方向を見すえ、二男を伸ばしていくというこの関係はとても恵まれていると思います。
医療は医療、教育は教育と別々に考えていたら、たぶん私に迷いが出来、二男を足踏みさせていたでしょう。

就学により、新しい教育機関となります。今までの様によい関係が保てる様に、入学する小学校へ足を運び、二男を理解して頂ける様、働きかけています。

 主人は時々“この子の落ち着きのない所や、変わったとこは、僕の小さい頃にそっくりや”などと言います。“そう言われれば、お父さんにそっくりだわ”ってことは障害児じゃなくて、問題児!?なんて思ったりして。
こんな楽観的に、二男の事を考えられる様になりました。

長男を出産した時、もうあんな思いをするなら二人目はいらないと思いましたが、なんと!三人も出産してしまいました。みなさんもそんな経験されてますよね。どんな痛みも、成長する子供の喜びに消されてしまいます。
私たちは、自分がどんな困難に直面しているかを知り、今置かれている状況の中で親として出来ることは何かを考え、少しずつ実行していきましょう。

最後に、Y保育園の園長先生をはじめ、担任の先生、タンポポ教室の先生、心療内科の森先生、船戸先生。また、タンポポ教室の同じ悩みを抱えたお母様達、二男と私に暖かい手をさしのべて下さり、心より深く感謝いたします。